ペットショップなどに行ったとき、猫を見ているだけで癒されますよね。
猫を飼いたいけど、
- 猫を飼うと、やっぱり壁とか傷がつくのかな
- ペットフードの他に、どのくらいお金がかかるんだろう
- 猫のためのスペースは確保できるかな
などの悩みはありませんか?
私は知人から2匹譲っていただいたのですが、飼う前は準備やお世話など何をしていいかわからず「飼う」か「飼わない」か悩みました。
この記事では、猫と暮らして9年の私がこのような悩みを徹底解剖してお伝えします。
猫はたくさんの癒しを与えてくれますが、苦労もあります。
飼い始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように、猫を迎えるための心構えと準備をしておきましょう。
そうすれば、あなたと愛猫にたくさんの癒しがある生活を送れますよ。
【猫の飼い方徹底解剖】心構えと生活スペースの準備
猫を飼うにあたってまず必要なのは、あなたや家族の心構えと猫にとって必要な生活スペースです。
新しい家族を迎えるわけですから、今までの生活環境とはガラッと変わります。
どんな準備をしたらいいのかを、3つの項目でお伝えします。
徹底解剖①|一緒に暮らす心構え
先程もお伝えした通り、猫を飼うと生活習慣がガラッと変わります。
今までの生活にはなかった、「猫の世話」「エサ代などの出費」「猫の生活スペース確保」が加わるため、少なからず負担となるでしょう。
しかし、心構えを知っておけば負担は軽減されますから、飼う前に頭に入れておいてくださいね。
生涯の面倒を見る覚悟
猫を飼った瞬間から、生涯の面倒を見る責任を負います。
大げさに聞こえるかもしれませんが、猫の命も人間と同じ「大切な命」です。
2021年の一般社団法人日本ペットフード協会による「全国犬猫飼育実態調査」では、猫の平均寿命は15.66歳となっていて年々少しずつ伸びています。
室内飼いの猫は平均寿命よりも長く、なかには20歳まで生きる長寿の猫もいます。
この長い年月の間、食事・トイレ・健康管理をずっとしていかなければなりません。
また、旅行が好きな方であれば、預け先があるのかを確認しておく必要があります。
あなたの年齢や体力面などと、猫の生涯を照らし合わせて考えましょう。
猫の生活習慣を知る
生活習慣をわかっていれば、上手くコミュニケーションがとれるため覚えておきましょう。
猫は思いがけない行動をとり、驚いてしまう場面が数多くありますよ。
【1】単独行動が好き
もともと単独で行動する猫は、協力したり服従したりしないため基本的には飼い主の言う事は聞きません。
飼い主がかまってあげても、無視されるのは当たり前にありますから無理に捕まえてちょっかいを出す行為は、猫のストレスになるためやめましょう。
甘えたい時に甘える、飽きたらプイっと行ってしまうのは猫の特徴です。
このツンデレ感は癖になりますよ。
【2】縄張り意識が強い
室内飼いの猫でも縄張り意識を持っていますから、猫が落ち着ける場所にエサや水、寝場所を作ってあげると自分の縄張りだと認識します。
また、家具などに自分の匂いをこすりつけるマーキングをしたり、濃いおしっこをかけるスプレーをしたりする行動も縄張りを主張するものです。
【3】15時間以上寝てる
猫は15時間、子猫や老猫はさらに長く20時間くらい寝ています。
これは、狩りをするために体力を温存していた習性が残っているからです。
しかし実際に寝ているのは、3~4時間程度で、それ以外は危険を察知したらすぐに動ける準備をしています。
猫は夜行性で夜になると動きが活発になり、飼い主が寝ている最中に走り回って起こされますから、昼間に遊んであげると夜はおとなしく寝てくれますよ。
【4】狩猟本能がある
猫には狩猟本能があるため、動くものを見ると飛びかかる習性があります。
室内にいると運動する機会がなく、ストレスや運動不足になってしまうため、おもちゃを使って運動させてあげましょう。
また、突然走り出しますが、これは狩猟本能の他に「トイレの前後」や「体調の変化」によるものですから、急に走り出しても無理に止めないようにしてあげてくださいね。
居住環境の確認
家に来たばかりのころは、生活環境の変化によって過度のストレスがかかります。
慣れるまではケージなどの比較的狭いスペースで安心させてあげましょう。
猫は好奇心が旺盛で、家電のコードを噛んだり物を落としたりしますから危険なものは片づけるようにしてください。
ひもやビニールなどは、誤食してしまい手術が必要になってしまう事故にもつながります。
マンションやアパートなどの集合住宅で飼う場合、走り回ったり飛び降りたりした時の音で苦情が来る可能性があるため、吸音マットを敷くなどの工夫が必要です。
一人暮らしの場合、留守番の機会が多くなりますから大きめのケージを用意し、ケージの中にトイレや食事を用意してあげるようにしましょう。
私の知り合いの猫は、裁縫用の糸を誤食してしまい手術をしました。
徹底解剖②|経済面での心構え
家族が増えれば、当然出費も増えます。
必需品の準備・毎月のフード代・ワクチン接種など経済面での負担も考えなくてはいけません。
どんな費用が掛かるのか見ていきましょう。
【1】初期費用
絶対に必要な物ですから、飼う前に揃えておきましょう。
下表の値段は、ショッピングサイトで調べた最低価格帯です。
ケージ | 10,000円~ |
トイレ容器と猫砂 | 1,000円~ |
フード | 200円~ |
フード用・水用の食器 | 1,000円~ |
キャリーバッグ | 1,000円~ |
ベッド | 1,000円~ |
爪とぎ | 500円~ |
爪切り | 400円~ |
選ぶものによって違いますから、実際は合計で20,000円程度を考えておいた方がいいでしょう。
【2】フード代・トイレ・光熱費
種類によって変わってきますが、毎月かかる費用です。
- フード代 3,000円/月
- トイレ 2,000円/月
- 光熱費 1,500円/月
【3】去勢・避妊
卵巣や精巣の病気、望まない妊娠を避ける目的があります。
獣医師と相談してみてください。
- 去勢 10,000~20,000円
- 避妊 15,000~30,000円
【4】ワクチン接種
感染症から守るためにも、ワクチン接種はしておきましょう。
ワクチン接種 5,000~8,000円
【5】ペット保険
猫にかかる医療費は高額になるため、保険に入っておきましょう。
保険会社や保障によって金額は変わりますから、調べてみてください。
- 1歳~ 24,000円/年
- 5歳~ 36,000円/年
- 9歳~ 48,000円/年
ちなみに我が家はアニコム損保で、8歳オス40,590円 8歳メス39,990円となっています。
メスの方は、2匹目割引が適応されていますが、結構大きな出費で大変です。
徹底解剖③|安心できる生活スペースを準備しよう
猫が安心して暮らせるように、生活スペースを作ってあげましょう。
1部屋用意するのは難しいと思いますから、ちょっとしたスペースを作ってあげます。
ケージ
リビングの隅や、隣の部屋で目が行き届く場所がいいです。
猫はすぐに大きくなるため、大きめのケージを用意してあげた方がいいかもしれません。
2段~3段の高さがあるものを選ぶと、寝床・トイレ・食事の場所が分けられますし、お留守番の時も使えます。
我が家は2匹だった理由もありますが、1年もしないうちに大きなケージに買い替え、無駄な出費になりました。
キャリーバッグや、トイレ容器も大きめを用意した方がいいかもしれませんね。
キャリーバッグ
病院に行くときや、お出かけするときにはキャリーバッグに入れて移動します。
普段から部屋に置いておくと、安心してすごせる場所にもなるため、実際に出かける際に警戒せずに入ってくれるようになりますよ。
災害時や来客時にも使用できますから、用意しておきましょう。
寝床
子猫のうちは、キャリーバッグに毛布を入れたものでも大丈夫です。
成長したら、少し高いところや窓の近くにおいてあげましょう。
ケージの中も寝床になりますから、毛布などを置いておくといいですよ。
フードの場所
子猫の時は大丈夫ですが、フードとトイレは離れた場所に置きましょう。
部屋の隅や壁際など、静かで落ち着いて食事ができる場所がいいです。
トイレの場所
トイレの理想の数は、「匹数+1」です。
砂の上でしか排泄しない習慣があるため、特にトイレのしつけをする必要はありませんが、新しい砂にするときは排泄物のにおいが付いた砂を入れておくといいでしょう。
トイレは人目につかない、落ち着いて排泄できる場所に設置してください。
猫の癒しの効果は科学的に認められている
近年、世界中で猫の癒し効果の研究が実施されており、心だけではなく身体に対しての癒し効果もあるとされています。
実際に、医療現場や高齢者施設でアニマルセラピーとして活躍しています。
幸せな気持ちになる
猫に触れたり見たりすると、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌され、この効果によりストレスや不安が解消し幸福感を得られ、
触れられた猫も同様に「オキシトシン」が分泌され、お互いに幸せな気持ちになれます。
また、猫のゴロゴロ音の周波数は20~50ヘルツの低周波で、「セロトニン」を分泌され、自律神経などのバランスを整える効果もあるのです。
孤独感がなくなる
2003年にオーストラリアで行われた研究では、猫がそばにいると恋人や子供と一緒にいるときと同様の満足感を得られる結果が出ています。
日本の動物学者、今泉忠明氏の著書【猫脳がわかる!】の中では、猫の脳と人間の脳はほぼ同じ!といっており、猫の感情は「喜怒“愛”楽」で本能的な「情動」を占めているそうです。
飼い主さんや同居の猫に対してしか見せない特別な「親愛表現」をヒゲや尻尾を使って表現します。
そうした「愛」の表現が孤独感を軽減してくれるのでしょうね。
身体的な癒し
アメリカの研究では、猫の飼い主はストレスが少なく命にかかわる循環系疾患のリスクが30~40%減るとわかりました。
また、幼いころから猫と暮らしている子供は、喘息やアレルギーを起こしにくくなる研究結果を発表しています。
先程紹介したゴロゴロ音は、ほかにも不思議な効果があり骨折など、超音波治療のヒントにもなったそうです。
猫を飼うと苦労が絶えないのも事実
「猫の世話は楽」といわれますが、苦労が絶えないのが事実です。
壁や家具がボロボロになる
よく言われるのが、壁や家具がボロボロになる。
ほとんどの人が悩まされる問題で、爪とぎを覚えさせても、お気に入りの場所を見つけては「バリバリ」と壁やソファーで始めます。
これは習性でやめさせられない行為ですから、叩いたり怒ったりせず爪とぎの場所に連れて行ってあげてください。
好みの爪とぎを見つけてあげるのも、防止対策になりますから、段ボール・麻・カーペット・畳など材質を変えてみる、
姿勢も立ってするタイプ、地面でするタイプと色々試して好みを探してあげてください。
壁の保護シートや爪とぎ防止スプレーなどで、対策をとるのもいいでしょう。
布団やソファーに粗相する
今までちゃんとトイレでしていたのに、突然ソファーや絨毯の上で粗相(おもらし)をする場合があります。
これには、色々な原因が考えられるとされています。
- トイレの環境が気に入らない
- 居住環境の変化
- 老化
- 排尿にかかわる病気
- 発情によるマーキング
- ストレス
- トイレが汚れていたり、猫砂の材質が気に入らなかったりすると、嫌がってトイレ以外の場所で粗相してしまいます。
- 引っ越しや来客などの居住環境の変化にも敏感です。
- 老化は身体機能の低下や認知機能の低下が原因で、トイレに間にあわない場合。
- 泌尿器疾患、腎臓病などの病気で頻尿になりトイレに間に合わない状態になります。
- 発情期に入ったオスがマーキングをします。去勢すると防げる場合があります。
- 飼い主とのコミュニケーション不足によるストレス。(かまってほしいアピール)
粗相をした場合は、怒るのではなく原因をみつけて適切な対応を取るようにしてください。
また、粗相した場所は匂いが残るため、しっかりと掃除しないと、同じ場所で粗相をしてしまいます。
吐き戻しをする
猫が突然吐き戻しをしたら、びっくりして心配になりますが、病気でなくても吐き戻しをするため、基本的に心配はいりません。
ドライフードを一気に食べると、消化よりも先に膨張し苦しくて吐き戻してしまうケースがほとんどで、フードを変えてあげると軽減できますよ。
我が家では、オールウェルに変えたら吐き戻しが減りました。
また、毛づくろいをしたときに毛玉を吐いたり、空腹時に白い泡や黄色い液体を吐いたりします。
吐いた後、ぐったりしているようであれば病院に連れていきましょう。
いたずらされる
猫は好奇心旺盛ですので、興味を持ったものに触らずにはいられず、テーブルの上のものを落としてみたり、ゴミ箱をひっくり返したりして飼い主さんを困らせます。
さみしいときにも、あの手この手を使って飼い主さんの気を引くためにいたずらをしますが、イライラせずになぜそのような行動をとるのかを考えましょう。
猫は叱っても叱られている認識はないため、いたずらをしないようにするのではなく、いたずらをされない環境を作るといいですよ。
猫との暮らしは癒しと苦労がある
猫と暮らして9年になりますが、今でも苦労は絶えません。
正直、猫のために家具の配置を変えたり、すべてのもの片づけたりするのは不可能ですし、プリンターの上に乗っかるテレビの前に座るなど、様々な邪魔をします。
相手をして欲しいのかと思い遊んであげても知らん顔され、抱っこして欲しいのかと思い抱っこすると逃げられる。
何度もこのツンデレに悩まされました。
でも、どんなにいたずらをされても、一緒にいるだけで穏やかな気持ちになりますし、仕草がかわいくて見ているだけで幸せな気持ちになれるのが猫の魅力です。
猫を飼うと、家族の会話が増えますし、子供にとってはお世話をする勉強にもなり感情も豊かにしてくれるなど、
たくさんのプラス効果をもたらしてくれます。
この記事を参考に、一緒に暮らす検討をしてみてくださいね。
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