歴33年の教師が語る!英語学習のインプットとアウトプットの割合を徹底解説!

歴33年の元教師

一番効果が高い英語学習の方法は、インプットが7割アウトプットが3割です

そう言われても、社会人になってもう一度英語を勉強し直そうという人は困ってしまうかもしれませんね。

インプット7割アウトプット3割と言われてもイメージがわきません

歴33年の元教師

私が理想のインプットとアウトプットの割合についてわかりやすく説明しましょう!

この記事は、英語指導歴33年の元教師である私が、理想のインプットとアウトプットの割合について説明していきます。イメージしやすいように、赤ちゃんが実際に言語を習得する過程の様子と比べながら説明していきますね。

記事の最後には、自宅でできる理想的なインプットとアウトプットの学習方法も紹介するので、期待してください。これを読んでいただけば、理想的なインプットとアウトプットの割合で英語学習できる明るい見通しが持てるはずですよ。

目次

【結論】英語学習は、インプット7:アウトプット3で実践すべし

学習者が英語を習得していくイメージは次の通りです。

理解可能な英語を大量に浴びる(インプット)と、発話(アウトプット)が自然に発生する。

これは、赤ちゃんが言語を習得していく過程をイメージすると分かりやすいでしょう。喋り始めた赤ちゃんがいきなり「ぼくは大人になったら宇宙飛行士になりたい」とはなりませんね。
 
最初に出てくるのは、「パパ」「ブーブー」などの短い発話や、笑顔や手足をバタバタさせて喜びを表すなどの非言語的な反応になります。「アア」のような音を発して、色々な思いを主張しようともしていますね。

歴33年の元教師

話し始めるまでにたくさんインプットを浴びるのが大切です。

最初のアウトプットは短くてもOKとリラックスするのがポイントです。

英語学習のインプットで大切な3つのポイント

英語学習のインプットで大切なのは次の3つになります。

インプットで大切な3つのポイント

・理解可能な英語をインプット

・反復や言い換えなどコミュニケーションを意識したインプット

・自然なアウトプットを誘う継続的なインプット

赤ちゃんが言語を習得する場面をイメージして学習に取り組んでいきましょう。

インプットすべきは理解可能な英語

なんと言っても、理解可能な英語を大量に聞くのが大原則になります。

英語を初めて習う人が、洋楽を一日中聞いていたとしても、学習効果は期待できません。学習者の現在のレベルから遠すぎるのが原因です。お母さんは、赤ちゃんの行動に合わせて、赤ちゃんが分かりやすいように言葉を選んで話しかけていますよね。

学習者は、自分のレベルに合った英語を選ぶのが大切になります。選ぶ目安としては、英語を聞いたり読んだりした時に、大体意味が分かるくらいのものが理想です。

現代では、ユーチューブの動画など英語のインプットに適したものが結構あります。学習者が理解可能で面白く感じる英語のインプットを大量に浴びるのが、英語を習得する近道であると理解しましょう。

コミュニケーションを意識したインプットを繰り返すのが大切

赤ちゃんが離乳食を食べ始めました。お粥を盛ったスプーンを手に持ったお母さんは、黙って食べさせませんよね。

「お口を開いて」と言葉をかけます。赤ちゃんが口に含んだお粥を飲み込んだら、「上手だね」と言葉をかけます。赤ちゃんは当然何も言葉を返しません。でも、お母さんは一回一回口に入れるたびに、そして毎日の食事ごとに繰り返し話しかけています。

さらに日によっては、「お口を開いて」の代わりに「あーんして」と別の表現を用います。このように英語のインプットも、コミュニケーションをする場面で行うのが理想です。同じ表現を繰り返し聞き、段々と理解してくるのです。また、意味が同じ別の言葉も一緒に覚えていきます。

お父さんの仕事の都合で海外に暮らし始めた家族の中で、子どもが一番早く英語に馴染んでいくのは、同年代の子どもたちと対話する場面が多いからなのです。ただ、通常目の前に英語を話してくれる人はいませんので、まず理解可能な英語を繰り返しインプットするのがオススメとなります。

自然なアウトプットを誘う継続的なインプット

最初は何も話さない赤ちゃんですが、お母さんが毎日毎回話しかけていくとどうなるでしょうか?

やがて何らかの反応を示すようになってきます。最初は笑ったり手足をバタバタさせたりする反応。そのうち、「アア」のような発音で様々なものを言い表そうとしてきます。

赤ちゃんではない私達も、理解可能なインプットを浴び続けると、自然な反応(アウトプット)が出てきます。イエスだったり、知っている単語を答えたりといった英語を用いる反応もあれば、うなずいたり日本語で応答したりといった反応も見られます。

実は、これらの簡単で非言語的なアウトプットだけでも、簡単なコミュニケーションを続けるのは可能なのです。インプットする側の人が、相手の理解を見ながら、繰り返し、言い換え、ジェスチャー、絵や具体物なども交えていけば、意外にコミュニケーションは続けられるのです。

歴33年の元教師

英語学習ではインプットの割合をかなり多くするのが大原則となります。

学習者の反応を見て、用いる英語や表現方法を適切に変えられる人がインプットするのが理想です。

英語学習のアウトプットで大切な4つのポイント

英語学習のアウトプットで大切なのは次の4つとなります。

アウトプットで大切な4つのポイント

・インプット→アウトプットの順番

・英語を用いる必要のある場面設定をするのが大切

・間違いをするのは当然!安心してアウトプットできる環境こそ大切

・覚える努力もアウトプットには必要

赤ちゃんが言語を習得する場合のように、アウトプットも本来は自然に身につくはずなのです。しかし、英語学習では、アウトプットのための練習も必要となります。これはインプットとは異なります。

インプット→アウトプットの順番で学習

特に英語学習初期の段階では、前章インプットの場面でも見たように、理解可能な大量の英語を浴びる活動が本当に大切です。その中で、アウトプットも自然に発生してきます。

こうしたやりとりの中で理解できた単語や文章について、繰り返し発音したり書いたりして覚えていくのが理にかなっているのです。繰り返しますが単語や文章だけをいくら覚えても、それだけで英語が使えるようにはならないのです。

英語を用いる必要のある場面設定をするのが大切

「ぼくは宇宙飛行士になりたい」っていきなり言われると驚きますよね。夢について質問されたので、「宇宙飛行士になりたい」と答えるのです。このように、アウトプットを学ぶ際にも、その表現を使用するような場面が設定されている必要があります。

自分の目の前にいる人とのコミュニケーション活動の中で、色々と工夫をしながら何とか英語を用いてやり取りしていく。最初は、イエス・ノーや単語だけの応答でも構わないのです。インプット同様に、こうしたやり取りを繰り返していくうちに、徐々に使いこなす感覚がついてくるのです。

間違いをするのは当然!安心してアウトプットできる環境こそ大切

普段私達が話している日本語でも、言い間違いや書き間違えは珍しくありません。特に、話し言葉では、録音したものを聞き直してみると、結構様々な間違いをしているのに気づきます。

日本語ですら間違いがあるのですから、英語で間違いをするのは当然と言っても言い過ぎではありません。「単語ではなくて文章で答えなさい」「三単現のエスがついていません」などをあまりにも気にしすぎるために、英語を話したり書いたりするのに抵抗を覚えてしまう人が出てきても当たり前です。

間違いをしても大丈夫だと安心してアウトプットできる環境を整えるのは、英語の学習効果をあげるための大切な条件となります。

覚える努力もアウトプットには必要

私達日本人は、「車」「日曜日」などの言葉や、「ぼくのママは山田花子と言います」の文章を言う練習を特別にしなくても、気がついたら覚えていました。 

しかし、日本人が英語を使いこなせるようになるためには、自然な習得だけでは不十分なのです。なぜなら、英語と日本語があまりにも違いすぎる言語だからです。そして、私達の日常生活では周りに適切な英語をインプットしてくれる環境が少ないのも2つ目の原因になっています。

そのため、インプットを大量に浴びて自然なアウトプットができるようになった後、単語や日常生活でよく使う表現などを口に出したり書いたりして練習する学習過程が不可欠となります。これが、アウトプットも3割必要と言われる所以なのです。

歴33年の元教師

理解可能なインプットを浴びながらコミュニケーションをするやり取りの中で、アウトプットの力も一緒に磨かれていきます。

安心してアウトプットできる学習環境を整えるのがとても重要です。

【絶対オススメ】理想的なインプットとアウトプット環境で学習できるラジオ番組

理想的なインプットとアウトプットの割合で学習できる環境はどこにあるのか、途方に暮れてしまう一もいますよね。

そんな人にオススメの情報です!高いお金を払って英会話教室に通わなくても、インプットとアウトプットを理想的な割合で学習できるラジオ番組があります。その番組は、NHK『中高生の基礎英語 in English』です。

『中高生の基礎英語 in English』がオススメの理由

私がこのラジオ番組を強力にオススメする理由は3点あります。

中高生の基礎英語 in English オススメする理由

・オールイングリッシュによる圧倒的なインプットの量が保障されている。

・講師同士の会話も豊富に用意されていて、反復や言い換え表現が多数用いられている。

・インプットされた表現を用いてのアウトプット活動がゴールに設定されている。

15分の番組内に日本語は一切使用されません。テキストにも対話文などの日本語訳が一切出ていないのでこの姿勢が徹底されています。

でも心配しないでくださいね。扱う英語や単語は、同じNHKの中学生の基礎英語に出てくるものが中心となっています。社会人になり英語を久しぶりに習おうと思っている人にとって、なんとか理解できる適切な英語レベルとなっているのです。

番組内で、インプットとアウトプットの学習場面がどうなっているのかについて見てきましょう。

番組内の理想的なインプットの学習場面を紹介!

この番組のインプット学習が優れているのは次の3点です。

歴33年の元教師

・5日かけて一つのダイアログを学ぶので繰り返しインプットできる
・講師による大量の日常会話をインプットできる
・言い換えなどコミュニケーションに活用できるインプットを浴びて学習できる

このラジオ番組の一つの特徴は、一回一回のレッスンの進度スピードにあります。5日間も同じダイアログを聞き続けるおかげで、リスナーは10回程度インプットができるのです。最初は多少分からなくても、これだけの回数を聞いていくうちに単語や文章がハッキリとしてきます。まるで霧が晴れるような爽快感!

また、ダイアログに関する様々な質問や要約など、リスナーを飽きさせない学習活動が組まれています。知らず知らずのうちに、英語を英語で理解する感覚に慣れてくるのです。

番組内の理想的なアウトプットの学習場面!

この番組のアウトプット学習がすぐれているのは次の3点です。

歴33年の元教師

・文法的な間違いをそのままオンエアしている。
・英問英答、要約、日常会話などアウトプット場面が豊富にある。
・テーマに即して自分の考えをアウトプットする場面が設定されている。

2021年度のパーソナリティを努めていたタレントの鈴木福さん。福さんが使用する英語には、様々な間違いが見られましたが、番組では福さんの間違いを訂正せずにそのまま放送していました。これには本当に驚きました。

日本人は、間違いを恐れるあまり、積極的なアウトプットに挑戦できない傾向があると言われています。福さんのように、文法的な間違いがあっても、求められている内容が含まれていた場合には、”almost OK”「悪くないよ」などと認めているこの番組の姿勢は、高く評価されるべきです。

事実、1年間この環境下で伸び伸びと積極的に英語を学んできた福さんのアウトプットは見違えるようになっていました。福さんの学ぶ姿勢は、同じ立場の学習者にとって、素晴らしいモデルでもあり、学習への動機づけともなっています。

『中高生の基礎英語 in English』は、この4月からも継続して放送されています。みなさんも、1年間番組を楽しく積極的な姿勢で聞き続ければ、福さん同様の大きな成長が期待できますよ。

番組講師の明海大学教授の百瀬美帆先生からのメッセージです。こちらも見て下さいね。

【おまけ】英語学習におけるインプットとアウトプットに大きな影響を与えた2つの理論

最後に、英語など第二外国語習得の場面で、インプットの重要性に着目した考え方と、インプットだけでは第二外国語の習得が難しいと提唱した考え方について、簡単に紹介します。

【インプット理論】理解可能で適切なインプットを浴びればアウトプットは自然に習得できる

アメリカの言語学者であるS.クラッシェン教授が提唱した言語習得理論。日本人が母国語ではない英語のような第二外国語を習得する方法について、理解可能な英語を大量に浴びる(インプット)中で、自然な行為として言語が習得されるという理論。

クラッシェンは、学習を積み重ねても言語の習得には結びつかないという説も合わせて提唱。インプットの重要性に着目した点については、世界的に高い評価を得ている。

【インタラクション仮説】話者同士が対話のやり取りを通して言語を習得する

アメリカの言語学者であるM.ロング教授が提唱した言語習得理論。クラッシェン教授が提唱したインプットの大切さは尊重した上で、話者同士が相互に会話を成り立たせようと様々なやりとりや交流(インタラクション)を試みる活動を経て、言語の習得が進むと発表した。

インプットだけでは自然なアウトプットが発生するには不十分だというインタラクション仮説の考え方は、インプット7割:アウトプット3割の割合が理想的であるという根拠にもなっている。

学習者同士や教師対学習者によるインタラクションの活動は、学校の英語教育現場でも多く取り入れられている。

【英語は誰でも使える】覚えてから話すから、使いながら覚えるに発想を変えよう

「英語を覚えてから海外に留学します」という声を結構耳にしてきました。でも、なんのために英語を覚えるのでしょうか?目的や夢はみんな色々あるかと思いますが、誰かとコミュニケーションをとる行為は絶対に含まれているはずです。

次の会話のやり取りを見てください。一見すると、普通に会話が成り立っているように見えますね。

A: How are you?
B: Hungry.
A: Did you eat breakfast ?
B: Yes!
A: What did you eat ? B: スパゲッティ.

これはALTの先生と小学校4年生の英語の授業でのやり取りです。4年生になったばかりの頃だったので、過去形も習っていませんし、eat や what の意味も理解しているかどうか怪しいところです。

でも、このお子さんは既習語のbreakfastを手がかりに、会話を続けたと考えられます。インタラクションしようとする思いが、会話の成立につながったのです。英語の塾などに行っていないお子さんでしたので、覚えてからじゃないと話せないと言うのが思い込みに過ぎないというよい例になります。

インプットでもアウトプットでも、相手とのインタラクションの中で英語を使うイメージを持って学習に取り組むのが一番大切になります。英語学習は、相手とのインタラクションを楽しむくらいの気持ちで取り組めると効果が高いくなるのです。

この記事を書いた人

1965年生まれ、長野県出身。国立大学卒業後、長野県内各地の小中学校で担任として勤務。33年間で合計11回の卒業学年を担当(中学生5回・小学生6回)。子供達の可能性を見つめ続け、健気に育っていく姿に胸が熱くなる日々を過ごす。彼らの純粋なエネルギーの眩しさに刺激を受け、気がついたら早期退職を選択。読む人が満足できる記事の作成を目指し執筆に取り組んでいます。

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