子どもを保育園に入れるなんてかわいそう!
まだこんなに小さいのに保育園に入れるの?
知り合いや通りすがりのご婦人にこんなことを言われると、子どもを保育園に入れているママはドキッとしますよね。
そこでこの記事では、
- なぜ子どもを保育園に入れるのはかわいそうと言われるのか
- 保育園を活用するメリット
を、子どもを保育園に入れるのはかわいそうじゃない!と思う私が保育園歴20年の経験をもとに体験談をお伝えします。
かつて預けられていた子どもとしても、働いていた職員としても、もちろん今子どもを預けるママとしても保育園にマイナスイメージなんてありません!
保育園は働くママの心強い味方です。
この記事を読めば、堂々と子どもを預けて働きにでることができますよ。
なぜ子どもを保育園に入れるとかわいそうって言われるの?
見ず知らずの他人になぜそんなことを言われなきゃいけないの!?と怒りを覚えることもあるでしょう。
「かわいそう」と言う相手も悪気があって言っているわけではありません。
「子どもは母親が面倒をみるべき」が常識だったゆえのアドバイスをしています。
その背景には、次の3つのポイントがあります。
- 根強い3歳児神話
- 自分の時はそれが常識だった
- 実際に泣いている子どもを見たことがある
これらの考え方を知っておくだけでも、「かわいそう」と言われたときの心構えが変わりますよ。
根強い3歳児神話
「3歳児神話」って聞いたことがありますか?
昭和の頃「子どもは3歳になるまでは母親が家庭で子育てをした方が良い」と広く言われていました。
当時は父親が働き、母親は家事と育児をする生活スタイルが主流で、この考え方が広まりやすかった背景があります。
今では科学的な根拠はないとされており、母親だけに四六時中育児に専念させる問題点も出てきています。
- 核家族化が進む中で誰にも頼れず、密室的な子育てにより精神的に追い詰められてしまう
- 子育てが自分のアイデンティティであり、存在意義だったせいでいつまで経っても子離れできない
自分のときはそれが常識だった
「父親は外で仕事、母親は家で家事育児」かつてはそれが常識でしたね。
自分はその常識の中で子育てをしたため、つい口に出てしまうのでしょう。
自分の周りに働きに出ている母親が少なければ、余計にそう思ってしまいますね。
自分の時と比べてイキイキと仕事をする母親が羨ましい気持ちも混ざっているのかもしれません。
実際に泣いている子どもを見たことがある
保育園の前で泣きながら母親と別れる。目の前でそんな光景を見れば「かわいそう」と思うでしょう。
当然のことながらそれを見た人はその場面しか見ていません。
その後どんなに子どもが保育園で楽しく過ごしても、その姿は見られません。
泣いていた子が笑顔で登園できるようになる姿もまず見られないでしょう。
自分が見た場面だけ強く印象に残り「保育園に入れられる子=朝いつも泣いてる子」のイメージがつきまとい、かわいそうと思ってしまうのです。
保育園歴20年の私が思う!保育園を活用するメリット5選
かつては「かわいそう」と言われるくらい、保育園へ子どもを預ける家庭が少数派でした。
しかし現代、どちらが主流かというと共働き世帯が圧倒的に多いです。
※厚生労働省「共働き等世帯数の年次推移」参照
ここからは、保育園に20年関わり続けている私が思うメリット5選をご紹介します。
- 保育のプロのサポートが受けられる
- 子どもの社会性が身につく
- 子どもの発育、発達が早い
- 食育に関してピカイチ!
- 自分のキャリアを犠牲にしない
イメージだけで語るのはもったいない!実際の保育園を見れば、かわいそうなんて思わないはずです。
①保育のプロのサポートが受けられる
保育士さんたちは想像以上に子どもの発達や子どもへの対応について「プロ」です。
ママ歴8年の私なんか足元にも及びません。
うちの5歳の息子の話です。
叱られた時、何を言っても聞いているのか聞いていないのかよく分からない顔をされ、しばらく黙った後癇癪を起こしたように泣き出していました。
言い方を厳しくしたり優しくしたり、パパが怒ったらママはフォローに回るなどもしましたが、黙る→大泣きのループは変わらず。
困って保育園ではどうしているんだろう?と何気なく先生に聞いてみました。
「息子くん、いきなり注意されるとドキドキしちゃって何も耳に入らなくなるんですよ。
まず何でもいいから褒めてください。
『かっこいいね!』って言われると聞くじゃないですか。聞く姿勢を作ってからお話するとすんなり聞いてくれますよ。」
さっそく実践してみるともうその通り!!ずっと息子を見てきた私より先生のほうが息子の扱いが上手でした。
注意しようとしている時にまさか褒めるを挟むとは!
とっさのことで褒められないことも、もちろんあります。
しかし「息子はいきなり注意されると何も聞けなくなる」と分かっているだけで、こちらの心に余裕ができました。
②子どもの社会性が身につく
保育園には0歳から5歳までの子どもたちがいます。
今は感染症対策で年齢を混ぜての保育は控えるようにはなりましたが、自分より年齢の大きい子、小さい子が周りにいることが当たり前です。
すると自分もまだ赤ちゃんと呼ばれるころから小さい子には優しくする精神が身につきます。
誤解しないでいただきたいのですが、保育園では「お兄ちゃんだから我慢しなさい。」なんて絶対に言いません。
例えば小さい子と玩具の取り合いになった時「どうしたら小さい子と楽しく遊べる?」と促します。
すると「使い終わったら返してね。」や「この形のブロックは使うけど、こっちならいいよ。」のように譲り方を考えるようになります。
うちの娘は年長のころ、仲のいい赤ちゃんが数人いてよくお膝の上に抱っこして一緒に遊んでいたようです。
思えば私も、小さい子のクラスによく遊びにいってなかなか自分のクラスに帰りたがらないような子どもでした。
少子化の昨今、兄弟以外の子と密接に関われるのも保育園のいいところです。
③子どもの発育、発達が早い
特に0歳児クラスで顕著ですが、まだハイハイをしている子は目の前にもう立てる子、歩ける子が目の前にいるわけです。
生きた教材を毎日見るうちに、動き方のイメージがつくのでしょう。
うちの子たちは全員、1歳前に歩けるようになりました。
特に生後4ヶ月から保育園に通っていた長女は生後10ヶ月でトテトテ歩いています。
トイレトレーニング、略して「トイトレ」に関しても始まったらあっという間でした。
むしろ保育園にリードされて始めたくらいです。うちの保育園では40分に1回トイレに誘ってくれました。
トイレのリズムや排泄する感覚を掴んでくれたおかげで、家でのトイトレは非常にスムーズ。
40分に1回トイレに誘うって、家で家事をしながらだとなかなか難しいですよね。
おかげで2~3ヶ月で昼間のオムツはいらなくなりました。
④食育に関してピカイチ!
近頃、食育にはどの園も力を入れています。
- 地元の農園で芋掘り体験、そのお芋を使ってクッキング
- 食材を赤(体や骨を作る)、緑(体の調子を整える)、黄色(体を動かすエネルギー)の3つのグループに分け、バランスの良い食事を自分で考える
- ミニトマトやさやいんげん、きゅうりなどを保育園で栽培、給食で登場
などなど。これはほんの一例です。
うちの子の園でも上記に加えて栄養士の先生が旬の食材についてお話をしてくれます。
毎月購入する絵本にも大豆の大変身!(豆腐や味噌になる過程)や、お米ってどうやって採れるの?など食育の話が満載です。
私が保育園栄養士をしていた時は、赤のお皿(主菜)、緑のお皿(副菜)、白のお皿(汁物)、黄色(主食)のお皿の4つのグループを作り、その日の献立のお皿がどのグループにあたるのか子どもたちが考えて配膳する取り組みをしていました。
その日はバイキング形式で、子どもが自分で食べられる量をきめて給食をお皿に盛りつけます。
ミニトマトを赤のお皿にしていた子も、次のバイキングではちゃんと緑のお皿にできるようになりましたよ。
それぞれの役割
- 赤のお皿:体をつくる
- 緑のお皿:体の調子を整える
- 黄色のお皿:熱や力のもと
- 白のお皿:美味しい味のお手伝い
ラミネートしてランチョンマットにしていました。
保育園の給食は栄養満点!そんなイメージありますよね。それについてはイメージ通り!です。
私が勤めていたときも毎日30品目は入れるようにしていましたし、材料はもちろんその日に仕入れた新鮮な食材。
地産地消を心がけているため、地元の新鮮な野菜をふんだんに使います。
家ではあまり食べないのに保育園ではおかわりまでモリモリ食べます!なんてお話もよく聞いていました。作っていた身としては嬉しい限りです。
不思議なことに、同じレシピを家で作っても同じ味にはなりません。
大釜で大量に作るから出汁の出方が違うのでしょうか。いまだによく分かりません。
⑤自分のキャリアを犠牲にしない
最初に断っておきますが、子どもが産まれた以上以前と全く同じ働き方はできません。
お迎えの時間には間に合わせないといけませんし、突然の発熱で早退やお休みを余儀なくされることも多々あります。
それでも子どもが産まれたからと辞めてしまえば、それまでのキャリアはいったんゼロに戻ります。
子どもが大きくなってからもう一度となると、自分の年齢も上がっていますし、ブランクもあるでしょう。
以前と同じ働き方ができなくても工夫次第で「会社に必要とされる人」にはなれます。
残業ありきの仕事が「良い」と思われなくなった昨今、お迎えのために残業せずに帰るワーママはむしろ会社にとってもありがたいはずです。
まとめ:保育園は、子育てママの力強い味方!
- 保育のプロのサポートが受けられる
- 子どもの社会性が身につく
- 子どもの発育、発達が早い
- 食育に関してピカイチ!
- 自分のキャリアを犠牲にしない
保育園は、働くママの心強い味方である!と声を大にして言います。
私は預けてどんどん働きにでるべき!とも思いません。家で子どもの成長を見守りたい。
その気持ちもとってもよく分かるからです。
だって可愛いですよね!ハイハイする瞬間、立ち上がる瞬間を見逃したくないと思う気持ちも、すごくすごく分かります。
子育てに正解はありません。預けて働く!と決めたにせよ、家で成長を見守る!と決めたにせよ、悩んで結論をだしたことなら堂々と胸をはりましょう!
子どものこと、家庭のこと、たくさん悩んで考えて現状があるはずです。それでも外野の声が気になって一歩を踏み出せないなら、踏み出した一歩に戸惑うなら、そんなことないよと背中を押します。
子どものことを考えて決めたなら、その気持ちは子どもにも絶対に伝わります。
この記事がそんなあなたの一助になれば幸いです。
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