今後出産と控えている妊婦さんの中には、
- 「出産は痛いものだとわかっているけど、やっぱり怖い」
- 「少しでも痛くないなら無痛分娩もしてみたい」
- 「無痛分娩している人が周りにいないけど本当に大丈夫なのかな」
と、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
私も出産時の痛みに対して不安や恐怖を感じていましたが、出産方法に悩んでいた時に無痛分娩は痛みを軽減できると知り、興味が湧きました。
この記事では、無痛分娩で第一子を出産した私が、
- 無痛分娩の経験談
- 無痛分娩を選んだ理由
- 無痛分娩に関する疑問
について解説します。
最後までお読みいただくと、無痛分娩に対する不安が解消できて、あなたにとって最適な出産方法を選択するきっかけとなりますよ。
ぜひ最後までお読みください。
【体験談】無痛分娩なのに産むまでは痛かった!
早速ですが無痛分娩で出産してみて、痛みはどうでしたか?
正直、麻酔してもらっていたのにとても痛かったところもありました。
しかし、麻酔がなかったらもっと痛かったんだと考えると、無痛分娩を選んでよかったです。
無痛分娩だったのに痛かったのですね。麻酔が効かなかったのですか?
効きましたよ。陣痛が耐えられなくなって、麻酔をお願いする頃には子宮口が5cmになっていました。
麻酔を入れてもらってしばらくすると、痛みはほとんどなくなったんです!
あっても軽い生理痛くらいの強さになったのでとても楽でした。
痛みがなくなるわけではないのですか?
私が出産した病院では、いきむタイミングがわかるように完全に痛みがなくなるわけではない、と事前に説明がありました。
病院によるとは思いますが、私が出産した病院はゼロにはならなかったですね。
それに私の場合は、子宮口が6cmから9cmに開くまでの時間が短くて、一気にお産が進んだ影響で痛みが強くなったのではないかと先生には言われました。
お産の進み具合によっても、痛みは異なるんですね……。
痛みが強くなったら麻酔の量は調整できないのですか?
してもらってましたよ。
追加で投与もしてもらいましたし、それでも効いていなかったので、強めの薬も追加してもらいました。
麻酔が効くよりもお産の進むスピードの方が早かったようで、子宮口6〜9cmの間は麻酔がなくなったのかと感じるほど痛かったですね。
麻酔はいつまで効いていましたか?
出産が朝だったのですが、当日中はお腹の痛みも切開した会陰もほとんど痛くありませんでした。
翌日以降は会陰がものすごく痛くて辛かったので、当日中は麻酔の効果が少しは残っていたのかもしれません。
もしくは、出産によるアドレナリンのおかげかもしれませんが。
子宮口が9cm開くまでに、麻酔を追加してもらったり、強めの薬を入れてもらったりしたので、赤ちゃんが出てくる瞬間はあまり痛みを感じませんでした。
麻酔のチューブを抜去後に、切開した会陰を縫合しましたが、麻酔なしで痛みもなく処置が終わりましたね。
麻酔のチューブは背中から入れたんですよね?痛くなかったですか?
背中から背骨の中にある硬膜外腔に投与する麻酔方法なので、初体験でしたし怖さはありました。
ただ、すでに陣痛でお腹がとても痛い状態だったので、この痛みが取れるなら早くしてくれ〜って気持ちの方が強かったですね。
そのため針を刺したときの痛みに関してはあまり覚えてなくて。陣痛に比べると我慢できるレベルの痛みだったんだと思います。
印象に残っている場面はありますか?
やはり生まれる瞬間ですね!
麻酔がしっかり効いていたので、それほど痛みがなく、赤ちゃんと一緒に頑張っている感覚がありました。
生まれた時は達成感や安心といったポジティブな感情で終われたのが、個人的には嬉しかったです。
無痛分娩一択だった3つの理由
今では自然分娩以外の出産方法が選べる病院も増えてきていますが、私は妊娠前から無痛分娩にしたいと思っていました。
実際に無痛分娩にすると決めたのは、出産する病院を決めたタイミングでしたが、理由は以下の3つです。
- 痛みが怖かった
- 産後の回復が早い
- 通っている病院でできた
順番にご説明します。
理由①出産の痛みが怖かった
無痛分娩を選んだ理由はなんですか?
1番の理由は出産の痛みがとっても怖かったからです。
鼻からスイカを出すみたいってたとえられますよね。
確かに痛みは想像できないので不安です。
痛みに対しての不安がものすごく大きくて、妊娠出産も悩むくらいだったんです。
そのため無痛分娩という方法があるのを知ってからは、絶対に無痛分娩で産むと決めていました!
出産経験のある友人に話を聞いても、ものすごく痛かったと言っていたので、どうしても怖くて。
少しでも痛くなくなればいいなと思っていました。
夫も反対せずに、産むのは私だからと意見を尊重してくれていたので助かりました。
理由②産後の回復が早い
もう一つの理由は、両親や義理の両親が遠方に住んでいるのですが、里帰りするつもりがなかったためです。
どうして里帰りしなかったのですか?
夫と貴重な新生児期を一緒に過ごせず、時間や経験を共有ができなくなるのが悲しかったからですね。
里帰りすると自宅から実家まで遠いので、会えても週に1度、もしかしたら月に1度だったかもしれないと思うと、里帰りは選択肢にありませんでした。
そのため、産後も少しは自分で動かないといけないとわかっていたので、体力の消耗が少なく、回復が早い無痛分娩を選びました。
実際、体はすごく元気で退院後も家事や赤ちゃんのお世話も苦痛なくできました。
理由③通っている病院でできた
あとは、無痛分娩ができる病院が近くにあったのも大きな理由です。
引っ越し前に住んでいたところでは、無痛分娩ができる病院が少し離れたところにありました。
妊娠後期に大きなお腹を抱えての通院や、陣痛がきた時の移動手段を考えても、遠くの病院に向かわないといけない場合大変ですからね。
近くでできたのも迷わず無痛分娩を選んだ理由の1つです。
近くでできる病院がなかったらやめていましたか?
そうですね……。
その時はとても悩んだと思います。
しかし今なら絶対に無痛分娩にしますね!
【Q&A】無痛分娩に対する6つ疑問
ここからは無痛分娩に対する疑問についてお答えしていきます。
疑問や不安があるまま、「無痛分娩にしよう!」とはならないと思いますので、私の経験を交えてお伝えしていきます。
- 本当に痛みはなくなるのか
- 赤ちゃんは苦しくないのか
- お腹を痛めずに産むなんてずるい
- 副作用はないのか
- 麻酔なんて危ないのでは
- 費用がもったいないのでは
1つずつみていきましょう。
Q1:本当に痛みはなくなるのか
先程痛かったって言ってましたよね。痛みはなくならないのでしょうか。
あくまで私が産んだ病院では、いきむタイミングがわかるように完全に痛みがなくならないような量に麻酔を調整していました。
完全無痛や計画無痛分娩、和痛分娩といった種類があるので、ご自身に合うのはどれなのか比較してみるといいですよ。
ただし、「無痛分娩」「和痛分娩」と名前は異なりますが、正式な定義はないため病院ごとに意味が多少違います。
出産予定の病院でどのような処置がされるのかは、医師や助産師に確認してください。
同じ硬膜外麻酔を使用した方法でも、薬剤の内容が局所麻酔のみだと痛みを完全に取ることが難しく、そのため硬膜外麻酔を「和痛分娩」と呼んでいる施設もあります。
また、麻酔を使用するのはすべて分娩を「麻酔分娩」と呼ぶ施設もあります。
呼吸法などのリラクゼーションを「和痛分娩」と呼んでいる施設もあります。
引用:かわぐちレディースクリニック
Q2:赤ちゃんは苦しくないのか
麻酔を使いますが、赤ちゃんは苦しくないのでしょうか
私の場合は、赤ちゃんは産後何事もなく過ごせていたので、問題なかったのではないかと思います。
生まれる時に赤ちゃんが苦しい状態というのは、お母さんが呼吸をうまくできず赤ちゃんに酸素を送れなくなった時だと思っています。
その点、麻酔で痛みをコントロールしてもらうと、必要以上に体に力が入らず出産に挑めます。
そのため、お母さんの呼吸が止まらず赤ちゃんに酸素を届けられるので、赤ちゃんにとっても楽なのではないかと考えています。
麻酔が赤ちゃんに及ぼす影響については、「日本産科麻酔学会」に詳しく載っています。
現在主流となっている硬膜外鎮痛は、低濃度の局所麻酔薬に少量の医療用麻薬を加えて持続的に投与する方法です。 この硬膜外鎮痛の方法を用いて、お母さんの血液と、お母さんから赤ちゃんに届く血液で麻酔薬の濃度を測定し、さらに生まれた赤ちゃんの状態を調べた研究があります(※2)。 お母さんに投与した麻酔薬は一部赤ちゃんに移行しましたが、アプガーという人が赤ちゃんの状態を評価するために提唱した値(心拍数、呼吸状態、筋緊張、皮膚の色、反射を点数化)や、 赤ちゃんの意識状態、いろいろな刺激に対する反応を調べてみても、いずれも正常でした。
引用:日本産科麻酔学会
Q3:お腹を痛めずに産むなんてずるい
お腹を痛めずに産むのはずるいという声もありますが、どう思われますか?
日本では母親になるにはお腹を痛める必要がある、という考えがあると思います。特に親の世代からしたら、自分達はお腹を痛めて産んだわけですから、それが当たり前ですよね。しかも、その頃には無痛分娩という考え自体が広まっていなくて、選択肢にすらならなかったでしょう。
だから、痛みがなく産めると聞くと、自分は痛い思いをしたのにっていう気持ちがどこかにあってずるいという考えになるんだと思います。
自然分娩で出産した方からすると、楽をしているように見えるのかもしれません。
しかし私自身は、赤ちゃんとお母さんの両方のためを思って選択したなら、周りの声は気にしなくてもいいと思います。
Q4:副作用はないのか
副作用はありませんでしたか?
私は途中血圧が下がったので、点滴が追加されましたね。
あとは、産後麻酔のせいなのか出産のせいなのかはわかりませんが、おしっこが出なかったので導尿してもらいました。
その後、当日中には自力で排尿できましたよ。
「日本産科麻酔学会」では、副作用についての説明があります。
また、出産される病院でも副作用について説明されますので、気になる方は先生に質問してみてください。
Q5:麻酔なんて危ないのでは
麻酔の危険性について不安はありませんでしたか?
麻酔だけでなく薬でも必要以上に使えば危ないと思っています。
私が産んだ病院では、麻酔科医が麻酔の担当だったので安心でした。
それと、私は看護師なんですが、術後の患者さんが硬膜外麻酔で実際に痛みが軽減し穏やかに過ごしているのをみていたので、普通よりはポジティブに捉えていたのかもしれません。
麻酔の危険性については、以下もあわせてご確認ください。
- 副作用について(前項「Q4:副作用はないのか」)
- 「日本産科麻酔学会」のお産に与える影響について
Q6:費用がもったいないのでは
無痛分娩は費用が高いですよね。もったいなくありませんか?
私はそう思いません。
東京などは無痛分娩の費用が高いので、選択に躊躇するかもしれませんね。
しかし、
①痛みへの不安から解放される
②リラックスしてお産に挑める
③産後の体力回復の速さ
④赤ちゃんと一緒に出産している感覚がある
これらは追加費用を払ってでも受けたいメリットです。
私が出産した病院では、出産育児一時金(42万円)を差し引いて、手出しは5万円でした。
相場は自然分娩プラス10~20万円です。病産院によって体制にも差がありますから、その費用にも大きな差があるようです。
…赤ちゃんが産まれてくるタイミングによっては、時間外加算、休日・深夜加算が発生する恐れがあります。
引用:stemcell
無痛分娩なら痛みへの不安から解放される!
ここまで、無痛分娩の体験談と選んだ理由、疑問についてご紹介しました。
妊娠がわかると嬉しい気持ちと共にさまざまな変化に対する不安が出てきたりと、色々な感情が入り混じっているのではないでしょうか。
私はその中でも特に、出産時の痛みに対してとても不安があったので無痛分娩を選択しました。
結果的には結構な痛みがありましたが、出産前に「痛みは軽くなるんだ」と思えたので、リラックスして分娩台に行けたんです!
無痛分娩は、出産に対する漠然とした不安が軽減され、前向きな気持ちになれるので、痛みに不安のある妊婦さんにはおすすめですよ。
あなたが赤ちゃんと初めて対面するとき、どのように迎えたいのか是非この記事を参考に、家族とも話し合ってくださいね!
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