サッカー指導歴4年が伝授!指導者と親が心がける子供の指導としつけ

サッカーの指導者の方やサッカーをやっている子供の親御さんは、

  • 今の指導法で選手が育っているのかわからないな…
  • どんな指導をすれば選手は成長するのだろうか。
  • 子供がサッカーを通じて自立するために、親は何をしてあげればいいのかしら…

と、悩んでいませんか。

指導者の人は、いつも指導をしている選手たちが育っているのかと、自分のやり方に自信が持てなくなる時がありますよね。

子供がサッカーをやっている親御さんも、家ではどういったサポートをすればいいのかと、難しさを感じるときもあるでしょう。

4年の指導経験がある僕も試合や練習が終わった後に、「選手たちに何を伝えたのだろうか。どこを伸ばしてあげたのだろうか。結局どこに導こうとしていたのだろうか…」と、何度も思い悩んだものです。

この記事では、僕の指導経験から、子供がしっかりと成長する指導法やしつけを伝授します。

最後まで読めば、しつけや指導により、自立に向かっていく子供を心の底から信じてあげられるようになっていますよ。

この記事を書いた人
  • サッカー指導歴4年
  • 園児から中学生までの指導経験あり
  • 4年間のうち約2年半は低学年を指導
  • 現在、指導は行っていないが、サッカーの指導にまつわる記事を執筆するライターとして活動中
カケ
目次

【育成の柱】小学生サッカー指導者の心得5選

まず、小学生のサッカー指導者が育成の柱にすべき心得5つを紹介します。

小学生サッカー指導者の心得5選

  1. 選手のプレーを尊重する
  2. しつけの徹底
  3. 自己管理能力の養い
  4. 選手の頭の中に入り込むコーチング
  5. ブレない指導姿勢を貫く

子供の自立には、当然ながら指導者の存在が不可欠です。

指導法ひとつで、子供の未来が左右されると言っても過言ではありません。

指導者の方は、普段からどのような心がけで、選手と向き合ってサッカーを教えていますか。

上記で記した5つの心得を順番に説明していきます。

選手のプレーを尊重する

指導者は、「選手のプレーを尊重する」すなわち、「選手の考えを否定」してはいけません。

選手のプレーを尊重する心がけには、2つの目的があります。

  1. 選手自身で考え抜いて決断する能力を養う
  2. 選手に自信を持たせる

「選手自身で考え抜いて決断する能力を養う」とは、まさしく選手が自立していくためには欠かせない心がけです。

試合でも練習でもサッカーをプレーするのは、選手である子供ですよね。

ゆえに、サッカーで発生する各局面の状況を認知して、プレーを判断し、それを実行する主体者は子供なのです。

子供が自ら考え抜いて決断したプレーと、そのトライした姿勢を、とにかく褒めてあげましょう。

そこで選手が判断ミスを犯したり、失敗をしたりしたとしても、その過程を褒めてあげてください。

判断ミスや技術的ミスをしてしまった場合には「選手にプレーの意図を問いかけ、しっかりと聞いてあげたうえで、改善のヒントを与える」意識が大切です。

指導者が褒めてあげれば、選手にとっても「この状況ではこれをやればいいんだ!」と確信します。

そして、成功も失敗も両方経験するにつれて成長し、自信が持てるようになるわけです。

しつけの徹底

指導者の方は、サッカーをする選手である以前に一人ひとりの子供を相手にしています。

サッカーが上手くなるだけでは、子供の自立は促せません。

指導者自身が、日頃から礼儀礼節を意識したあいさつ・言葉使い・感謝を示さなくてはいけません。

礼儀・マナーが備わっている大人の指導者と、伝染した子供の選手たちを目にすれば、保護者からも、他のチームの人たちからも信頼してもらえますよね。

自己管理能力の養い

選手が自己管理を徹底する意識も、自立には欠かせません。

子供でも一度や二度の教えで、自分でできることに大人が手を出してしまうと、自立の機会は失われます。

僕は4年間の指導で、次のような行動をとる指導者を目にしたことがあります。

  • 某公式戦で、選手全員分の水筒を、荷物置き場からまとめて持ってくる指導者
  • 毎度の試合で、「ベンチに水筒と自分のボールを持っていってね~」と、選手に指示する指導者
  • 公式戦に交代で入る選手と交代ゾーンへ毎回一緒に行き、交代を手伝う指導者

単刀直入に言いますと、これでは子供は自立しません。

大人があれこれ世話してしまうと、子供の自分事への主体者意識は高まりません。

僕の指導例ですが、小学3年生の子供たちに、試合・練習後はストレッチで体のケアをする時間を設けるようにしていました。

大事なのは、「その中で自分の体の疲労具合を感じ、ケアする」ことです。

この意識が、「自分の体の状態は、自分で管理し、大切にする」心がけにつながります。

また僕は、「今ストレッチやる時間を作ったけど、家に帰って特に風呂上りは体を伸ばしやすくできる状態だから、その時にもストレッチをするといいよ。」と提案しました。

すると、プロを目指す1人のうまい子が「別に今やったからいいでしょ、めんどくさい。」と反論してきたので、僕は次のように説きました。

「まあ、プロになりたいって思わないならそれでもいいんじゃない?プロになる選手は、3年生の時から家に帰って風呂に上がってからもストレッチをしているよ。めんどくさいって思うなら、プロになりたいっていう想いは、そこまでっていうことじゃん。」

後日、その子の保護者からは、「コーチのあの言葉かけで、子供が毎日風呂上りにストレッチをするようになりました。ありがとうございます。」とのお声をいただきました。

指導者の方は、選手自身の自己管理を邪魔してはいませんか。

試合を重ねるごとに、ピッチ内外関係なく、サッカーのルールを覚えさせていますか。

試合・練習で必要になる荷物や道具も毎回同じですよね。

「大体何が必要で、どこに置いておけばいいのか」くらいは、一回の教え込みでできるものです。

大人である我々が全てをカバーするのではなく、子供が自分でできることは、自分でやらせるようにしていきましょう。

選手の頭の中に入り込むコーチング

選手の頭の中に入り込むコーチングをすることで、プレーは何倍にもよくなります。

選手自身が置かれた状況を察知し、そこでの自分なりの乗り越え方や、やり過ごし方を心得ることで自立に向かうのです。

しかし、「選手の頭の中に入り込むコーチング」と、言われても、「どういうこと?」と、思いますよね。

次のようにまとめたコーチングを意識してみてください。

  • 実力を発揮できている選手やもう一皮むけそうな選手に対して→選手をいい波に乗らせるコーチング
  • 調子に乗った緩いテンションでいる選手に対して→選手の気持ちを締めさせるコーチング
  • 落ち込んだり、失敗を引きずっていたり、不安を抱え込んだりしてしまう選手に対して→選手の可能性を認めて、その気持ちに寄り添いながらも、前を向かせるコーチング

試合・練習で、その時々の様子に適した声掛けをできるかどうかは、指導者の力量の表れにもなります。

指導者が様子を感じ取るようにして、選手の頭の中に入り込んだときの相応のコーチングが、子供のプレーを何倍にもよくしてくれます。

そこから先には、成功体験や選手個人としても、チーム全体としても、成長や底上げにつながるのです。

ブレない指導姿勢を貫く

子供を自立へ向かわせる指導者は確固たる信念・指導理念を持っています。

指導者で一番大切と言ってもいいパーソナリティが映ります。

試合・練習でどのような状況になろうとも、ブレたり不安になったりしない指導者を見ると、子供は勇気をもらえるものです。

指導者の真っすぐな姿勢を見て、子供もサッカーで成し遂げたいことに対して真っすぐになります。

やがては、人生全体においても同じような姿勢を貫けるようになるので、選手は自信を持てるのです。

僕は指導者として参考にしている人物がいます。

スペイン・リーガ・エスパニョーラのアトレティコ・マドリー指揮官のディエゴ・シメオネです。

そのシメオネの自伝に、心を突き刺された言葉があります。

ただ、とても困難であるだけなのに、なぜ不可能と言い切れるのか私には分からない。困難の中にも可能性があることを認めるべきなのである。

引用元:ディエゴ・シメオネ,信念-己に勝ち続けるという挑戦-,KANZEN,2017,251

僕はこの言葉で自分の指導に自信を持てるようになりました。

シメオネの言葉のおかげで、「誰に何を言われようが、どう思われようが、どれだけの苦しい状況に遭おうが、選手たちと自分自身を信じる想いは絶対に投げ捨てない」と、心に決められたのです。

この姿勢を体現できた経験として、3年生の子供たちを信じ、自分の信念を貫き通したことで、選手たちが変わってくれた出来事がありました。

1年の中で最重要となる大会で不安視されていたチーム状況から、選手たちは自ら強い信念を持って強豪相手に立ち向かう姿勢を貫く頼もしい姿になっていました。

シメオネの言葉と僕の実体験から生まれた「選手と共に困難に立ち向かい続ける指導姿勢」は、他の指導者陣とは浮いているかもしれません。

しかし、僕の指導姿勢が選手に伝染し、選手が良い方向に変わってくれました。

ゆえに、選手たちと共に闘争心をむき出しにし、成し遂げたい目標に愚直になる姿勢はこれからも変わりません。

自分なりの指導姿勢を見つけて貫いていけば、子供は勇気づけられ、自ら自分自身の人生を歩んでいくようになりますよ。

【過保護防止】小学生サッカーの親の心得4選

サッカーをやっている子供の親御さんが、押さえるべき4つの心得は次の通りです。

小学生サッカーの親の心得4選

  1. 子供の意志を共感・後押し
  2. 一人の子供の親としている
  3. チームのサポーターである意識を持つ
  4. 自立に向けた私生活

ひとつずつ順番に説明していきます。

子供の意志を共感・後押し

子供の意志に共感し、後押しをしてあげられる親こそが、自立への大きな一歩を歩ませています。

子供は親から自分の意志を肯定し、背中を押してもらうことで、安心して前に進めるからです。

僕が出会った保護者の中には、選手の意志を押さえつけて、勝手に移籍させてしまう人がいました。

子供は上の学年の公式戦に呼ばれ、なおかつその試合にも途中出場をしていました。

その出来事から保護者は、「今よりも上のレベルのチームでプレーさせるべきだ」というように、どこか勘違いをしてしまったそうです。

子供本人は残りたがっており、両親に何度もその意志を伝えていたそうですが、結局移籍させられてしまいました。

そして、移籍後どうなったでしょうか。周りのフィジカルレベルがあまりにも高すぎて、全く試合に出られなくなったそうです。

僕はこの話を聞いて悲しい気持ちになりました。

選手自身が確かな道に真っすぐ目を向けられていたはずなのに、両親によってその可能性を押しつぶされてしまったわけですからね。

親は子供が自ら思い描いているビジョンに賛同し、必要なサポートをしてあげられるようにしましょう。

子供の意志と決断に親が寄り添ってくれれば、安心して、勇気をもった一歩を踏み出せますからね。

保護者の言いなりばかりの人生になってしまうと、子供がプロにもなれなければ、自立もできるわけがありません。

自分の本当の気持ちを押さえて、苦しそうにする子供の顔を見たいと思いますか。

一人の子供の親としている

家の中では、家事を含めた親としての役割を全うし、精神的にも身体的にも子供の助けになるようサポートをしていきましょう。

保護者の方が、口が滑ってもやってはいけない禁止事項は、親からサッカーの話をしてしまうことです。

家でのサッカーのことについては、子供自身からの話を待ちましょう。自ら話をすれば、自立への進歩になりますからね。

スペインの名門サッカークラブであるレアル・マドリーの心理カウンセラーは、クラブの下部組織に所属する子供の親に2つの約束を必ず守らせるようにしています。

  1. まず家に帰ってからサッカーの話をしてはいけない
  2. サッカーは親が教えてはいけない

レアル・マドリーの心理カウンセラーは、「家で親からサッカーの話をしてしまうと、子供が迷子になりやすい。」と言います。

繰り返されてしまうと、子供は親を喜ばせるためにサッカーをやるようになってしまうのです。

親の機嫌を伺いながらサッカーをしても、子供にとっては、ただただ心苦しいだけですよね。

サッカーが楽しくなくなったり、嫌いになってしまったりもします。

一人の親としては、子供の方から話をしてくることを待ちながら、家事などでサポートすることを心がけていきましょう。

また、子供が悩みや不満を抱えているときは、なかなか話せずに泣き出してしまったり、モノにあたってしまう感情表現が出てきたりします。

その時には、「落ち着いて。どうしたの?話はちゃんと聞くからね。」と寄り添うようにしてあげてください。

チームのサポーターである意識を持つ

特に試合時の話になるのですが、保護者はチームの一員として、サポーターでいなければいけません。

子供もチームに所属する以上は、何も特別な存在などではなく、1人の選手であるに過ぎません。

保護者も同様で、1人のサポーターであるに過ぎず、自分の子供だけを見て応援するのではなく、チームのために戦っている選手たちを応援しましょう。

プロ・アマチュア関係なく、サッカーなどの団体競技には、チームのためにそれぞれの役割を全うする掟があります。

選手・監督・コーチ・サポーターの相互関係で成り立つのがチームです。

チームという枠組みの中で、保護者がやることはチームの応援なのです。

自分の子供だけを見て、結果に一喜一憂してしまうと、多方に悪影響を及ぼす可能性が高くあります。

試合では自分の子供にしか目を向けず、異常に指示を飛ばす保護者を目にします。

これはサイドコーチングと呼ばれるサッカー用語なのですが、あまりいいことではありません。

親がプレーを指示して、子供を動かそうとするその姿勢は、成長を妨げます。

子供自ら考え抜いてプレーをし続け、成長していくわけですからね。

プレーを指示するのではなく、子供が上手くなって成長しようと奮闘する姿を支持し、応援してあげるようにしましょう。

自立に向けた私生活

最後に保護者の方が心得るべきは、私生活でも子供を自立させていく心がけです。

当たり前ですが、「自分のことは自分でやる」ようにさせましょう。

子供もいずれは大人になって巣立ちますから、「小さいうちから自分のことをどれだけ自分で管理できるのか」を、見守ってあげてください。

公式戦の日に子供がスネあてを忘れても、保護者の方は持ってきてはいけません。

そのスネあては選手のモノであり、公式戦に限らず、練習の日だってスネあてを常備してくるものです。

スネあてを忘れるのも子供の責任です。

「小さいうちから身の回りのことすべてをできるようにさせろ」とは言っておりません。

年代各々で、できそうな行いを子供にやらせて、できたときにとことん褒めて家族との生活も楽しく自立に向かわせられると最高ですね。

また、すでにできることを駄々こねて手伝いを求めてくる子供もいますが、自立に向かわせたければ、我慢しましょう。

「この前できていたのだから、自分でやって当然だよ。」「忘れ物をするのは自分の責任だよ。」などと、時には厳しく言わなくてはいけないときも出てきます。

初めてできて褒められる経験を積ませ、時には親が我慢して、厳しくも温かいまなざしを送れるようにしていくといいですよ。

【忘れないで】本質は子供を信じてあげられるかどうか

子供がサッカーを通じて自立していくための一番大事な本質は、「子供を信じてあげられるかどうか」です。

サッカーで夢を見て、自ら道を切り開いて進もうとする勇敢な子供を、とにかく信じてあげてください。

子供は無限大の可能性を秘めているわけですから、とてつもないポテンシャルを発揮し、チームはいい方向に進みます。

僕自身も3年生の子供を信じ、プレーの指示を減らせるようになったおかげで、チームとしても子供個人としても自立し、成長に向かっている実感をさせられたものでした。

自立させるようにアクションを起こす大人も、子供を信じてあげることを前提に各々の心得を実践していきましょう。

子供・指導者・保護者の三位一体で信じあい、子供の確かな未来を築いていってください。

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