- Web記事の添削を任されたけど、どう取り組んでいったらいいのだろう…
- 人の文章の添削をしたことのない私でも上手くできるのか不安…
- 添削内容を上手く伝えられるかな…
Webライターとして記事を書くのに慣れていたとしても、他の人が書いたものを添削するとなると自分に務まるのか心配になりますよね。私も初めて添削を任されたときは、きちんとできているのか不安でした。
本記事では、初心者ライターの記事添削を4ヶ月間ほぼ毎日続けてきた私が、「文章添削のコツ」や「ライターに好かれ記事作成をスムーズに進める方法」をお伝えしていきます。
記事に書いた内容を実践し、ライターに好かれるだけでなくクライアントからも信頼される添削者を目指しましょう!
文章添削の最大のコツは「ライターへの尊重」
まずは添削における心構えを押さえておきましょう。
私自身が添削する上で常に心がけているのは「ライターへの尊重」です。
Namiko流の「ライターへの尊重」とは…
- ライターがどんな気持ちで記事を書き上げたのかを尊重する
- ライターが記事内で伝えたい意見を尊重する
- ライターが導きたいと思っている結論を尊重する
ライティングに始めて挑戦された方の記事は、どうしても修正箇所がたくさん出てきてしまいます。それが故に、添削内容の量も膨大になりがちです。
その膨大な量の添削内容を、何も考えずにライターへ送ると、
「時間をかけ一生懸命に書いたのに、こんなに注意されてつらい…」
「こんなに修正依頼が多いなんて、私ってライター向いていないのかな…」
と思わせてしまうのが容易に想像できます。
添削を送った先には、ライターがいることを常に意識するようにしましょう。
また、記事内でのライターが伝えたい意見、ライターが導きたい結論の修正依頼は、より一層の気遣いが必要です。
意見や結論の指摘は、伝え方を間違えると否定になってしまいます。「人格を否定された」と思ってしまうライターもいるかもしれません。
もちろん、クライアントが望む内容になっていないならば修正依頼は必要ですので、伝え方に細心の注意を払いましょう。「あくまで私の一意見なので、違うと思う部分があればいつでもご相談くださいね」と付け加えるだけでも印象が変わりますよ。
文章添削時の悩みと読みやすくする具体的提案
ここからは実際に文章を目の前にしたときの、具体的な提案方法をお伝えしていきます。
文章を読んでいて「何となく違和感がある」はよくあるでしょう。添削ではその違和感を言葉で説明し、修正を促さないといけません。難しく感じるかもしれませんが、突き詰めてみると意外にもお決まりの理由が見えてきます。
そんな添削中に出てくる「文章添削の悩み」と、それに対する「具体的な提案」をそれぞれまとめました。
悩み|文章が長すぎる
1文が長すぎると、読みにくい文章になってしまいますよね。
《例文①》
ワインには、白ワインや赤ワイン、ロゼワインなど様々な種類があり、最近話題にもなってきたオレンジワインもあり色んなものを試してみたくなると思いますが、それぞれどんな料理が合うかも分からず、家で楽しむにはハードルが高く感じると思います。
上記の文は、116文字となります。少し長すぎて読みにくいですよね。
このような場合は、「1文あたり70文字以内に抑えましょう」と共に、以下のように提案すると解決に向かいます。
- 一文一義を意識する
- 箇条書きを活用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
提案①|一文一義を意識する
一文一義とは「一文あたり、伝えることをひとつにする」を意味します。
《例文①・修正案》
ワインは、白ワインや赤ワイン、ロゼワインなど様々な種類があります。最近話題になってきたオレンジワインもあり、色々と試したくなりますよね。
ただ、それぞれどんな料理が合うかも分からず、家で楽しむにはハードルが高く感じるでしょう。
文の区切りができて、読みやすくなったのではないでしょうか。
逆に文を短くしすぎると、幼い印象になりがちなので注意が必要です。
提案②|箇条書きを活用する
文章の中に並列の単語や文節がある場合は、箇条書きを提案するのもひとつの手ですよ。
《例文①・修正案》
ワインは以下のように、様々な種類があります。
- 白ワイン
- 赤ワイン
- ロゼワイン
- オレンジワイン
これだけの種類があると、試しに飲みたくなりますよね。ただ、それぞれどんな料理が合うかも分からず、家で楽しむにはハードルが高く感じるでしょう。
箇条書きを入れると余白ができ、視覚的にも読みやすくなります。
悩み|なんとなく回りくどい
回りくどい文章は、何が言いたいか分からないような印象を与えてしまいますよね。
《例文②》
「お菓子を食べることをやめることができない!」ということに悩んでいませんか?
ストレス発散目的で無意識にお菓子をたくさん食べていたとなると、後で後悔してまいますよね。
そんなあなたにおすすめしたいことが、「お腹が空いている時に買い物でお菓子を買わない」ということです。
空腹が空いているときは、どうしてもお菓子をたくさん買ってしまう、衝動買いをしがちです。買い物のタイミングを工夫して、お菓子の買いすぎを避けるようにしてみることをオススメします。自然にお菓子を食べる量を減らすことができますよ。
このように回りくどい場合は、以下を確認してみましょう。
- 冗長表現の有無をチェック
- 二重表現の有無をチェック
それぞれ詳しく見ていきます。
提案①|冗長表現の有無をチェック
文章のムダ部分である「冗長表現」をなくすだけで、スッキリと伝わりやすくなります。「こと」「という」「のような」をなくすだけで、印象は大きく変えられますよ。
《例文②・冗長表現を修正した例》
「お菓子をやめられない!」と悩んでいませんか?
ストレス発散目的で無意識にお菓子をたくさん食べていたとなると、後で後悔してまいますよね。
そんなあなたにおすすめしたいのが、「お腹が空いている時に買い物でお菓子を買わない」です。
空腹が空いているときは、どうしてもお菓子をたくさん買ってしまう、衝動買いをしがちです。タイミングを工夫するだけで、お菓子の買いすぎを防げますよ。自然にお菓子を食べる量も減っていくでしょう。
キーボードの「ctrl」+「F」を押すと、記事全体から特定のワードを検索できます。ライターに「検索し、冗長表現にあたるワードをなくしてみましょう」と提案してみるのもひとつの手です。
提案②|二重表現の有無をチェック
二重表現とは、「頭痛が痛い」「後で後悔する」など前後の単語で同じ意味を示しているものを指します。
《例文②・冗長表現と二重表現を修正した例》
「お菓子をやめられない!」と悩んでいませんか?
ストレス発散目的で無意識にお菓子をたくさん食べていたと気づくと、後悔してまいますよね。
そんなあなたにおすすめしたいのが、「お腹が空いている時にお菓子を買わない」です。
空腹時は、どうしてもお菓子の衝動買いをしがちです。タイミングを工夫するだけで、お菓子の買いすぎを防げますよ。自然にお菓子を食べる量も減っていくでしょう。
- 後で後悔
- 買い物でお菓子を買わない
- 空腹が空いているとき
- お菓子をたくさん買ってしまう衝動買い
上記の重複表現を修正してみました。文章が簡潔になり、内容がストレートに伝わりやすくなったかと思います。
悩み|何が言いたいかが見えてこない
そこそこ長い字数で書かれていても、結局何を伝えたいのか見えなければ意味がなくなってしまいます。特に、記事内に自分の経験談を盛り込んでいる場合にありがちです。
《例文③》
彼に婚約破棄されたとき、私は絶望の縁にいました。
「人生で初めてできた彼氏だったのに…この先、私と結婚を考えてくれる人はいるのだろうか…」
そんなときに高校からの親友がオススメしてくれたのが、マッチングアプリです。
勧められるがままに登録をし、様々な男性と会いました。中にはマルチ商法の人もいて怖かったです。みなさんもマッチングアプリを通して会うときは注意してくださいね。
ちょうど10人ほど会ったときに知り合ったのが、5歳年上のAさんです。彼と話している時は緊張もせず、無理をしていない自分に気がつきました。
その後、順調にお付き合いをし、1年後には結婚。「あの時、マッチングアプリをやってよかった!」と喜びでいっぱいです。
なんとなく「幸せになって良かった」とは伝わってきますが、明確に何が言いたかったのかは見えてきません。
この場合は、以下の段取りで修正していきます。
- 最終的に何を伝えたいか確認
- 結論を先に述べるよう提案
上記の《例文③》が提出されたと想定し、どう修正を進めていくかをまとめてみました。
提案①|最終ゴールを確認
何を言いたいか見えてこない場合は、まず「この話を踏まえ、最終的に何を一番伝えたいのか」を一言でまとめます。
《例文③》の内容だと、伝えたいことは
「婚約破棄されても、マッチングアプリでチャンスをつかめる」
「婚約破棄されても前を向いて行動すれば、別の結婚相手が見つかる」
この辺りが予想されます。
ただ、本当に一番伝えたいことは、ライター本人にしか分かりません。「ここで一番伝えたいのは、これで間違いなかったか?」をライターの意見を聞きながら修正していけるといいですね。
「これを伝えたいんだな!」と決めつけてしまうと、ライターからの信頼を失う可能性もあります。ライターの意見の尊重を忘れずに、やり取りをしていきましょう。
提案②|結論を先に述べる
「最終的に何を一番伝えたいのか」を念頭においた上で、それを結論とし始めに書くよう提案してみましょう。
「PREP法」を活用するのもひとつの手です。
「PREP法」とは…
分かりやすい文章構成を考えるのに便利な手法。
順番に当てはめていくだけで、結論ファーストの分かりやすい文章構成にできます。
P:Point(要点、結論)
R:Reason(理由)
E:Example(具体例)
P:Point(要点、結論)
「最終的に何を一番に伝えたいのか」を意識しながら、《例文③》に対して以下のように提案できると良いでしょう。
《例文③に対する添削例》
この部分は「PREP法」を用いて修正していきましょう!この手法ならば結論がストレートに伝わり、明快な内容にできます。
○○さんなりに、この話で一番伝えたいことを一言でまとめた上で、PREP法に当てはめてみてください。
私もやってみました。あくまで一例ですので、○○さんが考える結論を当てはめて取り組んでください。
P(要点、結論):視野を広げて色んな人に会えば、結婚したいと思える人が見つかる
R(理由):自分を見てくれるのは元カレだけではないと思えるから
E(具体例):(実際にマッチングアプリで複数人に会い、結婚できたエピソードを書く)
P(要点、結論):積極的に行動し、色んな人に会って、たった一人の結婚相手を見つけよう
一度「PREP法」を覚えてもらい他の部分にも応用できれば、記事の完成度も自然と上がっていきます。初めは丁寧に教えて、技法を身に付けてもらいましょう!
ライターのメンタルケアは添削者として必須!
メンタルケアは、初心者ライターを相手にする場合、特に気を付けていく必要があります。ライティングのお仕事が初めての場合「こんなに修正依頼がくるとは思っていなかった」と心が折れてしまう方が多いからです。
私自身は、修正内容を送る際に以下の4点を心がけています。
- 素直に褒める
- 否定をしない
- 添削内容を読んだライターの気持ちを考える
- 質問しやすい環境を作る
これらを意識するだけで、ライターはモチベーションを保ちやすくなります。詳しく説明していきますので、ぜひ実践してみてくださいね。
素直に褒める
添削をしていて「良いな」と思った箇所があれば、言語化して素直に褒めましょう。
「読者に寄り添える内容にできており、○○さんの気遣いさを感じました。」
「分かりやすい構成にまとめられていて、内容がすんなりと入ってきました!」
修正箇所を多く指摘されると、どうしてもネガティブに感じてしまいます。
始めたばかりのときに「私ライター向いていないかも」と思ってしまったら、立ち直りに時間がかかるかもしれません。そのままライターへの挑戦もやめてしまうのも想像できます。
ライターの世界へ飛び込んできてくれた、その方への尊重も込めて、最低でも1ヶ所は褒める心意気でいましょう。
否定をしない
否定は無意識にしてしまいがちですが、言われた側の心にはずっと残ってしまいます。肯定的な内容に言い換える意識をするだけでも印象を大きく変えられますよ。
「この構成では、何が言いたいのか伝わってきません。」
↓
「この構成は、この順番の方が分かりやすくなるかと思います。」
「しかし」「ですが」などの逆接にあたる接続詞も避けると、ポジティブな印象にできます。
「読者の悩みに寄り添えていますね。ですが、解決策まで提示しないと読者が求めている内容になりません。」
↓
「読者の悩みに寄り添えていますね。ここから深掘りをし、解決策まで提示できれば、読者が求めている内容にできそうですね!」
ぜひ「肯定的に」「ポジティブに」を心がけてみてください。
添削内容を読んだライターの気持ちを考える
添削内容を書き上げた後は、一度ライターの気持ちになって読み返してみましょう。
「修正回数が多くなっていて疲弊しているかもしれない」
「膨大なマニュアルを読んで記事を完成させてくれたから、修正依頼にショックを受けるかもしれない」
「修正依頼を受け取ったライターはどんな気持ちになるだろう」と想像した上で読み返すと、強めに感じる文も出てくるかもしれません。ライターをフォローする1文が必要との判断もできるかもしれませんね。
相談しやすい環境を作る
ライターが添削者に相談しやすい環境作りも心がけましょう。
初心者ライターの中には、ネット上で仕事をするのが初めての方もいます。直接なら聞きやすくても、ネット上の顔が見えない添削者へは相談しにくいと感じる方も多いはずです。
「相談のしにくさ」を避けるために、初めてやり取りするライターへは以下の文を送るようにしています。
添削はあくまで私の一意見です。
今回に限らず、この修正だと○○さんが作りたい記事と方向性が違ってしまう、添削内容に納得できないなどあれば、いつでもご相談くださいね。
○○さんの記事ですので、話し合いながら作り上げていければと思います。
相談を受け、ライターに納得してもらった上で記事を執筆してもらうと、完成度が大きく変わってきます。常にライターが納得しているかを気にできると、お互い気持ちよく記事を作り上げていけますよ。
文章添削のコツを極めてライターに好かれる添削者になろう!
今回は、「文章添削のコツ」や「ライターに好かれ記事作成をスムーズに進める方法」をお伝えしてきました。
- 添削では「ライターへの尊重」を忘れない!
- 添削内容は具体的にかつ簡潔にする!
- ライターのメンタルケアを徹底する!
ライターへの尊重を重んじながら添削していくと、自然と関係性を築け、気持ち良く記事納品まで持っていけますよ。文章の指摘以外の部分も気にかけながら、添削に取り組んでみてくださいね。
ライターと良い関係を保ちながら作成した記事は、自然と完成度が上がっていきます。完成度の高い記事が続けば、クライアントからの信頼にもつながるでしょう。ライターとクライアント、添削者のあなたとで良い三角関係が築けるよう、応援しています!
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