春休みになり、4月から最終学年になろうとしている看護学生で、
「国試が迫っているのに勉強方法がわからない」
「自分だけが合格できなかったらどうしよう」
「クラスメイトが過去問題を5回解いたと聞いて気持ちが焦る」
このような悩みを持っている学生さんも多いのではないでしょうか。
最終学年とはいえ、まだ実習や学校の定期試験も残っているし、1年中国試の勉強に当てられるわけじゃないため不安もあるでしょう。
そこでこの記事では、勉強方法がわからず不安になっていた私でも看護師国家試験に現役合格し看護師になれた経験をもとに、
- 看護師国家試験の効果的な勉強方法
- 国家試験までの勉強スケジュール
についてご紹介します。
この記事を読むと、勉強のコツや勉強のスケジュールがわかり、合格を目指せますよ。
看護師国家試験合格に効果的な3つの勉強法
国家試験に合格するためには、正しい勉強法が欠かせません。
私が考える正しい勉強法は以下の3つです。
- 身体のしくみを理解する
- 3年分の過去問題を解く
- 周辺の知識を学ぶ
順番に見ていきましょう。
①身体のしくみを理解する
まずは基礎を固めるために、身体のしくみをもう一度理解し直しましょう。
身体のしくみとは、いわゆる「解剖生理」の分野です。
解剖生理が理解できていないと、国家試験の問題を解くのにとても苦労し、選択肢を迷ってしまいます。
しかし解剖生理を十分理解できていれば、根拠を持って回答を選べるため、自信を持って国家試験に臨めます。
また解剖生理から、症状や看護に繋げてイメージする癖をつけると、国家試験だけでなく看護師になってからのアセスメントにも大きく役立つことでしょう。
たとえば、私は以下のような内容をおさらいしていました。
血液分野:
- 血液の割合は体重の約8%(1/13)
- 血液の組成は液体成分と細胞成分に分かれる
- 赤血球・白血球などそれぞれの働き
ただし膨大な量で実習や授業などで忙しい時期のため、1から教科書やノートを見返しまとめノートを作成する必要はありません。
国家試験対策用のまとめ教材を利用しながら一問一答のように「赤血球は酸素を運んだり血色素の働きがある!」などと理解しましょう。
YouTubeにもたくさん動画が載っているので、うまく活用するのもよいですね。
②3年分の過去問を解く
看護の基礎である身体のしくみを理解したら、次は3年分の過去問題を一通り解きましょう。
過去問題を見ておくと、国家試験にどのような問題が出るのかイメージがつきやすいからです。
時間に余裕があり3年分だけでは不安であれば、第105回以降の過去問を見ておくのもおすすめです。
しかし、ただ問題を解き、○×をつけるだけの勉強は絶対にやめましょう。
なぜなら看護師国家試験はプール制であり過去問と似たような問題は出るものの、本番は問題や疾患の問われ方が違ってくるため、対応できない可能性もあるためです。
なぜその選択肢が正しいのか、なぜその選択肢は間違っているのか、その間違った選択肢をどう言い換えたら正しくなるのかなど考えながら問題を解いていきます。
つまり正しい過去問の勉強は、文章に出てくる単語の中から「自分の言葉で説明できない」項目を拾い出すために行いましょう。
ちなみに必修問題は同じ問題が出る場合もあるため、何度も反復して問題を解くのもおすすめです。
③周辺の知識を学ぶ
周辺の知識を学ぶとは、過去の国試に出てきた内容や疾患に関連した知識を身につけるために行います。
過去問を解いて自分が説明できない単語や疾患・検査データなどを拾い出せたら、その部分を復習しましょう。
問題をただ解いて数をこなすよりも圧倒的に時間はかかりますが、間違いやわからないところをなくすための勉強のため、合格を目指すにはとても効果的です。
たとえば、以下の過去問題を見てみましょう。
第105回 午前86問
Aさん(60歳、男性)は、転倒して第5頸椎レベルの脊髄を損傷した。肩を上げることはできるが、上肢はわずかに指先を動かせる程度である。呼吸数22/分、脈拍86/分、血圧100/70mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%であった。Aさんは「息がしづらい」と言っている。
Aさんの状態で適切なのはどれか。2つ選べ。
引用:厚生労働省ホームページ
- 低酸素血症がある。
- 胸郭運動がみられる。
- 無気肺を起こしやすい。
- 腹式呼吸を行っている。
- 閉塞性換気障害を起こしている
上記の問題から、自信のない部分を抜き出します。
- 第5頚椎レベルの脊髄損傷はどこが障害されるのか
- バイタルサインの正常値はいくつか
- 無気肺とは何か、レントゲンではどううつるのか
- 閉塞性換気障害とは何か
上記のように、1つの問題からいくつも広げられ、幅広く勉強できます。
この抜き出した部分を、自分の言葉で言い換えられるように学習しましょう。
国家試験の勉強は長期戦!
基本的な国家試験の勉強はわかったと思いますが、とはいえ長期的に学習を進めていかなければならないのも試験勉強の特徴です。
看護師国家試験の勉強は、早い人では看護学生になってすぐからはじめ、遅くとも4か月前から、取り組む必要があります。
なぜなら、膨大な量の試験範囲であり、短期間では勉強が不足してしまう場合も多いからです。
長期的に勉強に取り組み、さらに国試本番まで(看護師になってからも)知識を定着させておくには、工夫が必要ですよね。
さらに実習や学校の授業も含めて、大事な1年になるため試験本番まで体力も温存しておく必要があります。
そのような忙しい看護学生時代に、私が実際に行っていた勉強のコツを紹介しますね。
国家試験の勉強を効率的に行う3つのコツ
国家試験の勉強を効率的に行うコツとして、以下の3つを紹介します。
- アプリを活用する
- 友達と勉強する
- 自分だけの参考書を作る
では順番に見ていきましょう。
①アプリを活用する
1つ目のコツとして、アプリを活用した勉強をおすすめします。
実際に私もアプリを活用していましたが、以下のようなメリットがありました。
- 電車の移動など隙間時間に問題が解ける
- 机に向かう勉強に飽きたら気分転換に使える
- 点数が出るのでゲーム感覚で使える
- 間違った問題をリストアップして復習ができる
- 疾患や単元ごとに問題を分けられる
隙間時間には必修問題を解いていき、時間に余裕があれば一般・状況問題に取り組むようにアプリを利用していましたが、主に必修問題に活用していました。
時々一般・状況問題を解く時には、前述した通りなぜ間違っているのかを考えながら根拠を持って問題を解くように工夫していました。
②友達と勉強する
次に、友達と勉強するのもコツの1つです。
その理由は以下の通りです。
- 人の目があるため集中できる
- 試験勉強の長期戦に対応するための気分転換になる
- お互いにわからないところを教え合えるため、知識の定着につながる
国家試験対策期間中は、友達と約束し学校に集まって勉強するようにしていました。
そのため生活リズムを整えられるだけでなく、友達と楽しく勉強ができます。
1人では集中できない方や、友達と楽しく知識の定着をはかりたい方にはとてもおすすめの方法です。
③自分だけの参考書を作る
3つ目のコツとして、自分だけの参考書を作りましょう。
誰しもなかなか理解できない分野があるのではないでしょうか。
その理解できない項目について、まとめた参考書を作ります。
参考書といっても教科書を写経したり過去問を書き出したりするのではなく、なかなか理解できない内容だけを付箋に書き出し、ノートにまとめるようにしましょう。
ノートや付箋にまとめると、国試本番直前に緊張して何を復習したらいいのかわからないなどの不安は解消され、その項目だけを見返せばいい自分専用の参考書が出来上がります。
理想的な試験前1年間の勉強スケジュール
基礎的な勉強方法を踏まえて、1年後に試験を迎える看護学生さんのために、理想的な勉強スケジュールをご紹介していきます。
スケジュールは、大まかに以下のように分類しました。
- 春から夏まで
- 実習後から年末まで
- 年明けから2月の本番まで
理想的なスケジュールであり、学校によっては実習期間もバラバラのため参考程度に検討してみてください。
【春から夏まで】身体のしくみの理解
まずは、基本的な身体のしくみを一つひとつ理解していきましょう。
この時期に実習がある方も多いと思いますが、実習の領域に合わせて身体のしくみも一緒に理解すると効率よく勉強ができます。
身体のしくみは以下の領域に分けて学習を進めていました。
- 血液
- 循環器
- 呼吸器
- 消化器
- 腎泌尿器
- 内分泌
- 脳神経
- 感覚器
看護学生なら多くの方が知っていると思いますが、「看護師・看護学生のためのレビューブック」を辞書として活用すると時間短縮になります。
過去に出題された解剖生理の分野がまとまっているため、わかりやすくおすすめです。
【実習後から年末まで】過去問の周辺学習
実習が終わったらいよいよ国家試験勉強が本格的に始まります。
身体のしくみが一通り理解できたら、過去問を見て身体のしくみを理解できているか確認しつつ、わからない部分を突き詰めて勉強していきましょう。
年末までに過去問を終わらせる理由は、年明けからのスケジュールに余裕を持てるからです。
また、身体のしくみに関連していない母性・小児・精神領域も実習で学んだことを関連付けて勉強していきましょう。
母性・小児・精神領域以外で周辺学習を行っていた項目の例を紹介します。
- 看護技術
- 災害看護
- 国家試験頻出疾患
- 国家試験頻出検査項目
- 心電図
- 酸塩基平行
過去問に限らず、すべての項目を暗記で対応していては膨大な量で頭がパンクしてしまうため、疾患や看護などについては身体のしくみからイメージする癖を付けておきましょう。
【年明けから直前まで】予想問題と暗記項目
年が明けてから国家試験の数日前までは、予想問題と暗記項目の勉強を行います。
予想問題をこの時期にやる理由は、年末までに培ってきた学力の評価を図るためです。
また予想問題は、新出題基準に則っているため解いておくと試験の対策になります。
市販の予想問題集を使っても、業者模試を使ってもどちらでもよいため自分の好きなものを選びましょう。
暗記項目については、過去問を解いている間にも出てくるため、最後の追い込みとして年明けの直前にも復習をすると記憶がしっかり根付きます。
暗記項目も人によっては膨大な量となりますが、自分にあったやり方でコツコツ覚えていきましょう。
実際に私が行っていた暗記方法は主に以下の2つです。
- 頻出薬剤や検査データの正常値を一覧にして部屋の壁に貼って何度も見る
- あまりにも覚えられない項目はゴロで覚える
特にカタカナや数字の暗記が苦手な方にはおすすめの方法です。
暗記項目は以下の例があげられます。
- 国民衛生の動向
- 社会保障
- 関係法規
- 介護保険
- 検査データ
- 薬剤名
国試は基礎固めとスケジューリングで一発合格できる!
看護師国家試験は、正しい勉強方法やスケジューリングで合格を目指せます。
- 基礎である「身体のしくみ」を理解する
- 3つのコツで長期戦である試験対策を楽しく充実させる
- 1年間を通して着実に勉強を進める
試験当日は、根拠を考えながら解答に取り組み、自信をもって試験を終えましょう。
基礎を固めて疾患や看護に繋げると、看護師になってからもアセスメントで役に立ちます。
1年間の試験勉強で一発合格して、看護師になりましょう!
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