【経験者が伝授】保護犬と信頼関係ができる接し方のポイントを徹底解説

  • 保護犬を迎えたけれど、なかなか心を開いてくれないな
  • 保護犬と接するときに気を付けることは何だろう?
  • 本当に信頼関係を築けるのか不安だな?

こんな悩みを抱えてはいませんか?

私も保護犬を迎えてからしばらくの間、接し方について悩んでいました。しかし、適切な方法で時間をかければ、犬も心を開いてくれると知り実践しました。

本記事では、保護犬を迎えた私が、接し方に悩みながらも実践し、効果があった方法を解説します。

私が迎えた保護犬は推定3カ月、メス。
保健所に収容されてから、保護施設に迎えられた犬です。
臆病で人間が近づくとブルブルと震えていました。触れるようになるまで2カ月。思っていたよりも慣れるまでに時間がかかり、このままの接し方でよいのか悩みました。

今回ご紹介するポイントを押さえて接すると、保護犬のストレスも飼い主の不安も減って、ゆっくりですが確実に信頼関係を築けますよ。

ぜひ最後までお読みください。

目次

保護犬と信頼関係を築く接し方を解説

保護犬を迎え一緒に暮らしている私が、信頼関係を築く接し方のポイントについて実体験を交えながら解説します。

ポイントを押さえて接すれば、ゆっくりとですが、信頼し合える関係になれますよ。

では、順番に紹介していきます。

保護犬と接するときのポイント5つ

実際に保護犬を迎えて生活がスタートすると、想像と現実の違いに悩むことがあります。

ここでは保護犬と接するときのポイントを解説します。

  1. 犬が近づいてくるまで、無理矢理近づかない
  2. 威嚇になるので、犬と目を合わせない
  3. 大きな声を出さない
  4. 保護犬をよく観察し、安心できる環境を整える
  5. 家庭内のルールを決め、家族全員同じ態度で接する

では、順番に見ていきましょう。

1.無理矢理近づかない

一番大切なのは、無理矢理近づかないこと。食事を与えるとき、水をかえるときなど、必要な時以外は近づかないようにしましょう。

始めは近づいたり、なでたりしたくなりますが、それは我慢。背中を向けて、距離を取り、知らん顔をして過ごしてください。

保護犬は過去に虐待や多頭飼育崩壊などで、人間に怖い印象を持っています。そのため、無理に近づくと犬の恐怖心が増してますます人間が苦手になってしまいます。

新しい環境に慣れ「この場所は安心だ」、「この人は危害を加えない存在だ」と分かってくると、犬の方から近づいてくるようになります。

時間がかかるかもしれませんが、焦らないでその時を待ちましょう。

私の迎えた保護犬は2カ月たった頃に、自分から近づいてきました。待っている間はとても長く感じ、このまま懐いてくれなかったらどうしよう、と不安でしたが、無理矢理近づかないのは正解だったと思っています。

2.目を合わせない

犬と目を合わせないのも大切なポイントです。

「顔が見たい」、「どんな表情しているのかな」と顔をのぞき込んで見たくなりますが、我慢しましょう。目を合わせるのは犬を威嚇しているのと同じで、恐怖心をあおってしまいます。

特に保護犬は警戒心が強く、人間に不信感を持っています。また、人間と目を合わせることに慣れていません。

まずは、目をそらせたまま隣に座り、じっと待ちましょう。保護犬が興味を持ち、こちらを見たときだけ見返すようにしていると、徐々にアイコンタクトが取れるようになります。

3.大きな声を出さない

大きな声を出すのはやめましょう。犬は声のトーンを聞き分けられます。話しかけるときは、静かにゆっくりと話しかけてください。

犬は人間の4倍の聴力があり、大きな声に恐怖やストレスを感じます。

人間から虐待を受けていた保護犬は、辛い過去を思い出してしまうため、大きな声を出すと怯えてしまいます。

保護犬に話しかけるときはもちろん、家族の会話もゆっくりと穏やかな口調で話すようにしましょう。

4.犬をよく見て観察する

保護犬をよく見て観察して、何を怖がるのか、安心しているのはどんな場面か知るのも大切です。

怖いものや苦手なことが分かれば、そのものから遠ざけたり、取り除いたり対応できます。

例えば、「車の音が怖い」とわかった場合、犬が生活するスペースを車の音が聞こえにくい部屋に移すなど対策ができます。

我が家の犬は、黒い洋服や帽子を怖がりました。黒い洋服を着ていると馴れている家族を見てもガタガタと震えたので、なるべく黒い洋服を着ない、犬の前では帽子を被らないようにしていました。

また、安心して過ごしているのはどのようなときかが分かれば、その環境が続くように対応できます。

兄弟と一緒にいた場合は、ぬいぐるみを近くに置くと落ち着いたり、自分のにおいのついた毛布があったりすると落ち着きます。保護犬が安心している場面を探してください。安心できる環境が整ってくると、保護犬も心を開いてくれますよ。

5.家族全員同じ態度で接する

家族全員同じ態度で接するのも大切なポイントです。

「ほめる」、「しかる」のルールが決まっておらず、家族それぞれが異なった対応すると犬は混乱し、不安になります。

もし、家族内でのルールが決まっていない場合は、すぐに話し合って決めましょう。そして、ルールは必ず守ってください。

生活していくと予期しない行動を犬がする場合があるかもしれません。その時は、その都度きちんと話し合い、家族全員が同じ態度で接するようにしてください。

保護犬の性格別の接し方を解説

保護犬の性格は様々です。生まれながらの性格はもちろんですが、過去の経験が性格に大きく影響しています。

ここでは、保護犬に多い性格別の接し方ポイントを解説します。

  1. 臆病な犬は、距離を取って接する
  2. 人に馴れにくい犬は、人に会う経験させる
  3. 良く吠える犬は、犬をよく観察して吠える原因を取り除く

順番に見ていきましょう。

1.臆病な犬|まずは距離を取る

臆病な犬と接するときにポイントは距離を取ることです。ただ同じ部屋にいる「空気のような存在」からスタートです。

無理矢理触ったり、嫌がっているのに抱っこをしたりしてはいけません。心を開く前に強引に近づくのは、犬にとって苦痛です。

犬は社会化期と言われる時期(生後3週間から13週間)に、様々な経験していないと臆病な性格になります。虐待を受けていた犬や、飼育崩壊から保護された犬もちょっとした音や人の動きにビクビクします。

まず、保護犬が恐怖心や不安を感じない環境を整えましょう。「この人は嫌なことをしないんだ」、「ここは安心できる場所だ」、と思えるようになると犬の方から近づいてきます。

うちに来た保護犬は臆病で触れるようになるまで2カ月かかり、心が折れそうでした。焦らずに待っていれば、新しい環境に慣れて、家族に懐く日が来ますよ。

2.人に馴れにくい犬|人に会う経験を増やす

人に馴れにくい犬の場合は、人に会う経験を増やしましょう。

保護される前に人に会ったことがない、過去に人と楽しい経験していない犬は、人間に警戒心を持っています。時間をかけ、段階を踏んで人に馴れさせましょう。

人に馴れさせる方法は、飼い主が抱っこをして初対面の人に会わせます。いきなりたくさんの人に囲まれると恐怖を感じるので、最初はひとりと会うようにしましょう。

人間に興味を持ち始めたら触ってもらい、その後すぐにお菓子を与えてもらいます。これを繰り返し、「人間は怖くない」「なでてもらうと気持ちが良い」とわかると、人に馴れやすくなります。

飼い主以外の人と触れ合えた時には、明るめの声で優しく「よくできたね。」、「えらいね。」と褒めましょう。

3.よく吠える犬|吠える原因を取り除く

よく吠える場合は、犬をよく観察して原因を取り除きましょう。

犬が吠える理由の一つに、恐怖を感じたときの「警戒吠え」があります。

特に保護犬は、子犬の時期の経験不足から知らないことがたくさんあり、怖がって吠えていることがほとんどです。

よく観察していれば、特定の出来事や物に吠えているのに気がつきます。

例えば、窓から見える人が怖くて吠えているとわかった場合は、カーテンを閉める。また、窓に目隠しフィルムを貼るなど対策します。

保護犬によっては、怖い原因が複数あるかもしれません。まだ吠えるときは、ほかに吠える原因となっているものがないか観察してみましょう。

保護犬のしつけで大切なポイント3つ

迎えたばかりの保護犬は、しつけがされていません。

しつけは、犬と人間が生活していくうえで大切なルールです。お互いが幸せになるために、しっかりと教えなければなりません。

ここでは、保護犬のしつけで大切なポイント3つを解説します。

  1. 焦らず時間をかけてしつけをする
  2. 怒鳴る・叩くことはしない
  3. 犬の性格に合った方法でしつけをする

順番に見ていきましょう。

1.焦らず時間をかけてしつけをする

しつけをする時は、焦らず時間をかけるのが大切です。

保護犬は、新しい環境や家族に慣れるのに精いっぱいです。ましてや、飼育崩壊や虐待などを経験していると、人間に不信感を持っています。

不信感を持っているのにしつけを始めても、上手くいきません。コミュニケーションが取れるようになるまで、じっくりと待ちましょう。

しつけのスタートはゆっくりでも大丈夫。保護犬が心を開けば、スムーズにしつけられるようになりますよ。

トイレトレーニングは早く覚えてほしいと思っていましたが、新しい環境、家族に慣れるまでは無理に教えませんでした。部屋全体にペットシートを敷いて、どこでトイレしても困らないようにしていました。犬がリラックスしている様子が見られるようになってから、トイレトレーニングを始めましたが、順調に進んでいます。

2.怒鳴る・叩くことはしない

絶対にやってはいけないのは、怒鳴ったり叩いたりすることです。

保護犬は、保護される前に性格や習慣の癖がある程度、出来上がっています。そのため、しつけを始めても、身に付くまでに通常の犬のしつけより時間がかかってしまい、焦ってしまうかもしれません。

しかし、しつけが身に付かないからといって、怒鳴ったり、叩いたりしては逆効果。人間に不信感を持つようになり、嚙みつきや無駄吠えなどの問題行動を起こしやすくなります。

叱るときは低いトーンで、声を荒らげずに指示しましょう。犬が理解しやすい「ダメ」や「ノー」などの短い言葉で伝えるのも大切です。

3.犬の性格にあわせた方法でしつける

保護犬の性格にあわせた方法でしつけをするのも大切です。

まだ性格が固まっていない子犬の時期に保護されしつけを開始できる場合と、成犬になってから保護された犬ではしつけ方が違います。

成犬はすでに性格が固まっています。保護犬は臆病な性格が多く、それ以外にも攻撃的であったり、無気力だったり様々です。

最初にその性格を理解できれば、しつけの方法や方針が明確になります。保護犬をよく観察して、性格に合った方法でしつけをしましょう。

困ったときは獣医師やドッグトレーナーに相談する

保護犬のしつけに困ってしまったり、どのように接したら良いか悩んだりした時は、獣医師やドッグトレーナーに相談しましょう。保護施設から迎えた犬の場合は、施設が相談に乗ってくれます。

保護犬は、人に恐怖心を持っているためしつけが難しく、たくさんの時間と愛情が必要です。また、保護されるまでに生活習慣ができあがっていて、新しいルールが身に付きにくい特徴があります。

獣医師やドッグトレーナーは、たくさんの犬を見てきたプロです。その経験から、犬に合った方法や飼い主へのアドバイスを教えてくれます。試行錯誤して悩むより早く的確なトレーニングができるので、しつけをする上でのストレスや時間が最小限ですみます。

行き詰まったときは、プロの手を借りましょう。

保護犬に合った接し方で信頼関係を築こう!

保護犬と信頼関係ができる接し方のポイントを解説してきました。

  • 保護犬の気持ちになって考える
  • 保護犬の性格に合った方法でしつけをする
  • 焦らない

保護犬との生活は、「大変」と思うことも多くありますが、それ以上に成長を感じる喜びは言葉に表せません。焦らず1つずつステップを踏んでいくのが大切です。

手がかかるからこそ、心が通じ合ったときの愛おしさは格別です。

今回紹介したポイントを押さえて保護犬に接すると、信頼し合えるよい関係が築けますよ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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